価値 2

すっぱりと取扱を辞めることも考えました。
でもね。
顧客様は「畑仕事用」「力仕事用」の時計を求められました。
高年齢者の時計に対する実用性部分は残そうと。
主力商品から雑貨という扱いに変えようと。
私のプライドなんて元々たいしたことはありませんでしたが
このときは少し心が痛く、いまも先代に対して少し心が痛いです。

私は、店自体を残すことを選んだのです。
自分で価格を付けることができる商材を主力に変えて。

こんな事を書きながらいたら
朝一番のお客様がメガネをお作り頂きました。
帰り際に「この商売は‥‥儲かるの?」と指摘されました。
昭和8年生まれのオジサマ。
ご自分でご商売を長くされていると
本質が見えるのだなあ。

テクニックを探すよりも
土台をしっかりとした方が儲かるもの。
土台がしっかりとしていれば
どんなテクニックも効果が出るから。

―つの価値にーつの価格であった状態に
二つの価値が出現したわけです。
このときに‥・あなたならどうしますか?

多くのお店で今も同じ状態が起きています。
価値観の多様性が起こったときに‥・まさか価格を下げていませんよね?

クォーツが出現したときに
機械時計の生産量が減ることを予測したかどうかは
私には確認できないことですが
当時のSEIKOが世界を取ると思っていただろうとは予測できます。
(実際、一瞬そうなった。すでに巻き返されて久しいですが)

人口が爆発的に増えていくときに
憧れ高級商品だった時計は、新しく安く大量に生産される価値が出来た。
そりゃ‥・売れますな。
そうして全ての人に配給されてしまったような物です。
時計の価値がどうなったかはご自身の判断にお任せしますが。

大衆相手に商売していると
どうしても一番ってなんだろう?とか
コレの方が優れているとか
簡単に売る方法を選びがちです。

ところが。
現代は人口が増えないのです。