商品価格を決める時は、時給換算もお忘れなく。

一時間しっかり施術と気持ち良いサービスを受けました。

先日、新規オープンした美容室に行ってきました。
ココでの体験をシェアしたいと思います。

スマホで「美容室」と検索して、Googleビジネスで見つけたお店でした。
Googleビジネスで作れるHPもあり、店の様子が写真から伝わってきました。
オシャレな店舗、ラフだけどオシャレなお兄さんが一人でやっている美容室でした。
電話でカットを予約すると一時間ほどで終了すると言われ出かけていきました。

・お兄さん美容師さんはソフトで失礼なく丁寧に接客してくれます
・最初にカルテ用に住所氏名等を記入
・同時に、施術希望や、マッサージの強さ等も記入

そしてカウンセリングでカット内容を決めます。
丁寧なシャンプートリートメント
首筋をホットタオルで丁寧にふいてくれて
首肩頭を気持ちよくマッサージ
サクサクとカッコよく望み通りにカット

一時間ピッタリに終了!

満足です。

さて。私が一時間かけて施術していただいた料金はいくらでしょうか?

実は、予約した時に料金を確認するのを忘れていました。
高額ということもあるのでカード払いできるといいなあと思いながらでかけると、入口に使えるカード一覧表示、QRコード払いもできると書いてあり安堵しました。

最後にお支払いをお願いしました。
そして、驚く金額を提示されました!

「3,800円です。初回割引き1割引きになりますので、今日は3,420円になります」

お~・・・安い・・・
私の感覚では小学生価格でした。

消費者としては安くて嬉しいのですが、経営者としては心配になるレベルのお安さです。

カット料金が3,800円ではなく、一時間3,800円だからです。
プレイヤーは一人だから、それ以上に時給が増えることはありません。
シャンプーなどの店販品も並んでいましたが勧められることはありませんでした。

お店は新築です。小さいとはいえ一戸建て。
美容室は、水回り設備と椅子など専用設備が意外と高額です。
材料費はすくないかもしれませんが返済金額まで考えると時給3,800円はかなり不安です。
お子さんもおられるので家計費も独身のようなわけにはいかないでしょう。

こんな時に、私の友人も同じ美容室に行ったことが判明。
そこで聞いてみました。
「何をしてもらって、何時間でいくらだった?」

答えは…
「シャンプー、トリートメント、マッサージ、カット、パーマで、三時間で8,000円だけど紹介割引してもらって7200円だったよ」と。

定価の8,000円で考えても時給2,666円ですね?!
私のカットだけよりも、さらにパーマ技術もプラスしたのに時給が安くなってしまいました・・・

メニュー価格を、ライバル店と比べて決めてはいけません。

時々、下記のような相談を受けます。

「ライバル店にはできない技術の新しいトリートメントを始めます。他所のトリートメントの平均価格が2000円程度なので、うちは1800円にして新技術ってしようと思うんですがどうでしょうか?」

そこで質問を返します。
「そのトリートメントの所要時間は何分ですか?」
「えーっと? だいたい2時間くらいです」
「ということは、時給900円ですね?」
「え???」

スタッフの時給以下のサービスを始めるのはどうかと思いますが?
と伝えるとやっとで「考え直します」とお答えいただけます。

ライバルと内容が違うのに
ライバルより安くするしか集客方法が思いつかないのは問題です。

いっそのこと同じメニュー名もやめたらいいのになぁ。

薄利でもお客様が沢山来たら大丈夫?

薄利多売という言葉があるくらいですから、お安くして沢山集客出来たらいいのかもしれません。

でも、私たちは年を取ります。
人口減少の流れはハッキリしていて顧客数が減ることを想定して、メニューと金額を決めるべきでしょう。
スタッフも年を取ります。特に、技術業種の方は体を酷使しますからね。
年をとっても、へっていく人口数でも、ちゃんと儲けが残るように技術に値段を付けたいのです。

たしかに金額がお安いと、消費者としては嬉しいです。

でもね。
100%の人が期待しているかといえば…そうじゃないのも事実です。

最初安くスタートして、途中で値上することは簡単ではありません。

価格設定は悩み深きものです。
自分の時給はいくらか? 本当はいくら欲しいのか?
そんなことも考えてみてください。

株式会社ごえん
地域商店コンサルタント
山田文美