Q:顧客管理でもっと売り上げを上げたいのですが、コツはありますか?

魔法のような顧客管理があって、氏名住所と購入したものを打ち込んだら、次回買ってくれるものを教えてくれたらいいのにと思いませんか。
こうした期待は、機械に心を推測させるといった実在しないおとぎ話のように感じます。字がうまくなりたいのに、書き方を習って練習することよりも、どの筆を選んだらうまく書けるか考えるようなものです。せっかく見直しをするのに的外れにならないよう、まずは顧客管理の構造から話を始めましょう。そして最後にコツをお話します。
顧客管理として3つの記録を保管します。それぞれ目的が違います。
①住所記録
ダイレクトメールや電話などでお客様に連絡を取りたいときに便利です。
携帯電話番号を聞いておくと、ショートメールで連絡も取れます。LINE公式アカウントに友だち追加してもらうと、個別チャットでも繋がることが出来ます。
②購入記録
お客様と店舗双方の物忘れ対策になりアフターサービスに役立ちます。
①と②それぞれ、市販されているパソコンソフトで十分対応できます。
③顧客の価値観や好みの記録
この③を実行している店舗は少ないでしょうが、売上に顧客管理を活かしている店舗は、この項目にこそ力を注いでいます。なぜなら、この記録こそ売上に直結する未来をつくる秘訣だからです。
顧客の価値観や好みが分かれば、お客様が好きなもの、興味があるものをストレートにおすすめできます。購入記録は「物」が売れた記録ですが、価値観や好み記録は「その人が物を買う理由」の記録です。「この新商品は~~」と説明を始めるよりも、「あなたさまのお好きな旅行のお役に立てそうな新商品が発売されますよ」とご案内したほうが興味を持ってもらえる確率が高くなります。それぞれのお客様に好きなものを個別に薦められるのは店の強さになります。「でも、お客様の価値観なんてどうやったら分かるの?」と思いますよね。実は簡単なことなのです。「お客様との会話」と「お客様の持ち物」を記録すれば、そのお客様の「好き嫌い」が見えてきます。
人は価値観の違いから感じることを言葉にし、持ち物として選ぶからです。ぜひとも「会話と持ち物」を記録してください。
コツは紙に記録して、時間がある限り繰り返し読み返すことです。そうすると、その人に何をお薦めしたら買ってもらえるのかが分かるようになります。
さあ、あなたの店でもお客様との会話・持ち物記録ノートという「アナログ顧客管理」を追加しましょう。
A:お客との会話記録を追加しましょう
この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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