【集客力を上げる方法実例】チラシ 売れた理由、開発物語 贈る思いを何度も伝える

昨今のお客はセールでさえ欲しいと思わないものは買いません。
商品開発秘話、使った経験などを早くチラシで訴えれば、お客を買う気にさせることができ、価格競争は避けられます。
正価で売るにせよ、セールにせよ、夏の商戦が近づいています。ところで、買物には4つの順序があります。
1.必要や欲しいと思う「動機付け」
2.動機付けされた商品・サービスの「情報集め」
3.情報集めが終わり「候補品を選定する下見」
4.必要時期や購入資金の都合など、「購入タイミング」に合わせて実際に購
入
1から4まで、動機付けされてから実際購入となるまでにタイムラグ(時間差)があることが分かります。人は「欲しいなぁ」と動機付けされても即購入はせず、ある一定期間を経て、時期を待って購入するのです。
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贅沢品、高額品には購入理由が必要
特に高機能ブランド家電や最新モデルPCなどセール対象になりにくい商品や、贅沢品といわれる高価格商材などは、購入に”言い訳”が必要といわれます。例えば、ボーナスが出たから、一年の区切りだから、お世話になっているからなどです。
こだわりの菓子・生鮮品も、お中元やお盆という非日常時期を言い訳に購入されます。この言い訳がやってくるまでのタイムラグ、つまり待ち時間を利用して、動機付けを提案する方法を紹介していきます。
安さに勝る事前の動機付け
チラシを使って売り上げを作るには、「売れるときにもっと売る」方法が一番簡単です。売れる時は、お客の都合による購入タイミング時期と重なっていることが多いからです。
例えば、お昼前後には弁当が売れるのに、特別な仕掛けはいりません。
タイミングが合ってさえいれば、勝手に売れることがありますね。このときに、「明日の弁当はA店でa弁当を買おう」と、お客に前日に決めてもらえたらどうでしょうか。「次のお中元はアレを送ろう」と決めておいてもらう、さらに「コノ店で買おう」と予定しておいてもらえたら……。
お客は価格競争が気にならなくなります。購入を予定してもらうには、売れる時期の前にお知らせしてしておくのがコツです。バーゲンでさえ、その時期になっても、そもそも欲しいものがなければ、誰もバーゲンに出掛けません。
消費増税時を思い出してください。「前から欲しかった」「必要だからそのうち買おう」と、購入動機のある人が、増税前に駆け込み購入をしましたね。欲しくもないものまで買った人はいません。
ボーナス、お中元、お盆、繁忙期が来ると分かっているなら、事前に購入動機を提供しましょう。
買う気にさせる3つの動機付け
価格訴求チラシの反応が、下がり続けています。一方で欲しいとも思わなかった商品を、動機付けして購入させる「非価格訴求のチラシ」もあります。
価格が重要になるのは、実は前述した買い物順序の最後です。欲しいものが明確に決まっている状態で、やっと価格が重要になります。ものを捨てるのにお金が掛かる時代、欲しくないものは無料でも高いのです。
欲しいか欲しくないかの動機付けがますます重要になってきます。
欲しいと思ってもらうチラシの動機付けポイントは3つあります。
1.売れているものの売れた理由を明確にして知らせるともっと売れる。
2.新商品は、その商品が出現するに至る物語を知らせる。
3.同じ商材を違う切り口で2、3回続けて紹介して、最後に具体的行動を教える。
売れている理由 開発までの物語
人は売れている理由を知りたがります。多くの人が選んでいる理由を無視できません。自店で、ここ一年間で一番売れた商品を、売れた理由とともに知らせましょう。
新商品を売りたいときは、スペックや価格よりも、商品の開発物語を知らせましょう。「どこで、どうして、どうやって、どんな人が作ったのか」と「D」で始まる開発物語が、同じくD で始まる動機付けに有効なのです。
世の中はアピール合戦が行われていますから、一回くらいでお客を振り向かせることは難しいのです。何回も繰り返して、やっと振り向いてもらえます。「繰り返し」は重要な場合が多いですね。だから、同じ商品を違う切り口で2、3回紹介するのがコツです。
贈り主の思いをラッピングで伝える
年末年始と夏のボーナス、お中元時期は、お客の「欲しいスイッチ」を押す最高のタイミングです。遅くとも1ヵ月前には動機付けを始めましょう。
「むらなか酒店」(長崎県佐世保市)では「ラッピングで大切にしていること」をチラシに書いて、贈答品需要を取り込んでいます。
ラッピングを一つ一つオリジナルで仕上げる理由、その工夫と努力もチラシに書きます。贈答品ラッピングはお時間をいただくこと、送り主の気持ちを包装やのしで表現するために尋ねる場合があることなどを明記しています。
これまでもサービスはしていましたが、お客に知らせていませんでした。贈る姿勢をチラシで伝えた結果、そもそも贈答品に何を送るか相談したい、という新規客が増えました。「この店なら相手が喜んでくれる、失敗しない贈答品を送れる」と感じてもらえた結果です。
自店が「当たり前」と思う工夫は、業界標準ですか。そうではないのなら、ぜひとも伝えてください。自店が選ばれる大きな動機がそこにはあります。
家計を預かる主婦の多くは、決まった収入の中でやりくりをします。いつもの酒はディスカウントストアで買っても、大切な人への贈答品はわざわざこの店で購入される方が増えています。お客は酒ではなく、喜んでほしいという思いを酒に託して贈るのだと、むらなか商店の店主は理解し、その思いをラッピングという形にして見せています。

扱う理由と使用報告を伝え高額品を売る
草刈機は1万円からありますが、60万円を超える商品をチラシで動機付けしている店が、山本自動車工業(株)(広島県神石郡)です。
チラシで熱く語られているのは、草刈機ではなく「草刈の体験」です。
草刈の思い出、大変な作業が楽しい経験に変わる過程、イライラが快感に変わる理由を体験談として伝え、「一度試したい」という動機付けをして、無料体験会へと誘っています。
購入客の中には、草刈の必要がない人までいたほど、動機付けにつながりました。スペックと価格だけでは価格が伝わらない代表でしょう。
「どこで、誰が、どうして、どうなった」とDで始まる物語は、草刈を義務ではなく楽しみに変えてしまう力があります。
自店の商材を、スペックと価格以外で伝えましょう。売れている理由、Dで始まる物語を繰り返し伝えることで、お客を動機付けできますから。

この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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