【実例】お礼状 お客の心をつかむ‘‘事実‘‘と‘‘未来‘‘の原則

お礼状は今も廃れていません。
インターネット回線で瞬時に他人とつながれる時代に、紙に文字をつづり、手間と時間とお金をかけて、わざわざ一人の元へと届けられます。便利さだけで物事が選択されているのなら、とっくの廃れていてもよさそうです。でも、なくなってはいない。
人は、便利さだけではない‘‘つながり‘‘を求めています。
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内容次第で数十万のリピータ
鹿児島県のある布団店は、シンプルな手書きお礼状を、お客さまに出し続けています。52円はがきで何十万もする布団をリピート購入してもらえるのです。初来店して70万円購入されていたお客さまにお礼状を出し、さらに25万円のお買い上げ、しばらく来店のないお客さまに「あなたのことを思い出していますよ」というはがきを出して再来店を促し25万円のお買い上げ、5万円のお買い上げ時にははがきを出して27万円のお買い上げ、6万円の布団打ち直し注文へはがきを出して翌月家族の羽毛布団26万円のお買い上げなどと、ほんの1か月の間にも52円がもたらす売り上げが続きます。(資料A・B)。
手書きのお礼状は捨てられない
人は形にならない気持ちを伝えるのに言葉を使います。そして何度も思いを確認するために、書き記します。
お客さまへの手紙は、その人のことをあれこれ思い、言葉を探して悩みます。その人だけに向き合うために時間を使うから、喜ばれるのです。お客様はお客さまである前に、一人の人です。「すべてのお客さま」というお客さまはいないし「みんな」というお客さまも存在せず「誰もが」というお客さまもいません。たった一人のお客さまが、それぞれ店で買物してくださるのです。
一人お客さまに書く手紙は、例えばラブレターのような感じです。ラブレターがデジタルだったら、自分以外の誰かにも同じものが届いていたら、どうでしょう。
たった1枚を作り出すには、手書きが最適です。手書きはアナログです。効率が悪く恰好悪い代表かもしれませんが、最も書き手の熱が伝わります。世界でただ一枚、手書きの、自分への言葉の贈り物であるお礼状を捨てる人はいません。
手書きの方が受け手は絶対嬉しい。
手書きは字がだから苦手という人がいます。ですが、ほとんどの人は字を書くのが苦手です。でも、自分が苦手なことをしてもらえるからこそ心が温かく感じるのです。多くの人が手書きを苦手とするからこそ、手書きのお礼状は嬉しいのです。書く側ではなく、受け取った側がうれしく感じることが大切です。
手書きはテクニックではなく思い出です。テクニックだと思うと、印刷でも通じることを手書きする過ちを犯してしまいます。誰にでも同じ告白する人は嫌われるのと同様、大切なのは何を書くか、その言葉です。
接客時の会話をたどり心をぐっととつかむ
手書きを最も有効にするために、心掛けてほしいことは3つです。
1:「ご来店ありがとうございます」は店側の部分が優先された言葉です。これを「お目にかかれてうれしかった」に変えます。受け取り手に、自分の存在を認められたと素直に感じてもらえます。その人に会えることがうれしいと伝えましょう。
2:お客さまとの会話や事実をネタにしましょう。例えば、よくありがちな「お買い上げいただきありがとうございました」を「魚釣りの波が高くて大変だったと聞かせていただきました」などと実際の会話や「水の反射とまぶしさをカットする眼鏡レンズをお選びいただきました」と事実を思い出して書きます。事実を書くことで、読み手は「私のことをしっかり見て覚えてくれている」と感じ満足と安心を覚えます。
3:事実に対しての感想を「私は~と感じました」と書きます。例えば「私も魚釣りに行ってみたくなりました」という感じです。他人から、自分の行動に対しての感情を聞くと、「自分が相手に影響を与えた」と思いうれしいもの。お客さまは自分の価値が高まったと心をつかまれ、言葉をかけた人を好きになります。しかもお礼状は何度も読み返せます。
この3つを意識して、シンプルに書けば十分です。上手な言葉をつづる必要はありません。(資料D・E)
締めの一文は相手の未来を予告
お客さまの未来を予言してお礼状を締めくくります。「また御用の際にはお気軽にお声掛けください」ではなく「釣り専用眼鏡で大漁になると思います」と言い切るのです。
大概、お礼状に「また釣りのお話を聞かせてくださいね」などと、店側の希望を書いてします。でも、お礼状には相手のことだけを書くのが基本です。だから、「またお会いしたいです」ではなく「釣り談議のネタが豊富になりますね」と相手の未来に起こる変化を予測して書くのです。店側の都合が透けて見えると、おきゃくさまはガッカリしてしまいます。
反応があるお礼状はここが違う
反応があるお礼状には「見て」「感じる」型があります。以下、書くべき項目の順にお伝えします。
①書き出しとあいさつ
お礼状は鮮度が大切、」当日から翌日には出しましょう。その時の書き出しは「先日は」ではなく「本日は」がいいですね。3日目以降に出す時は「先日は」と書き始めます。
②過去の、お客さまの事実
前途のように、来店時のお客さまの様子や会話を書きます。単純に「春だから髪形を変えたいと言われましたね」「仕事用のスーツの下見に来てくださいましたね」など。事実だけを書く。以下が「見る」です。
③現実の、書き手の感想
②の事実に対して「私は○○と思いました(感じました)」や「私には○○が伝わってきました」などと感想を書きます。「私は、春になってオシャレをしたいと思い来店してくださるなんて幸せだと感じました」や「私には、失礼がないように気を使われる礼儀正しさが伝わってきました」などと感じたことを書きます。
必ず、主語「私は」から書き始めます。すると、お客さまの予想外のことでも、すんなりと受け入れてもらえます。以上が「感じる」です。
④未来の、お客さまを予告する
繰り返しますが、明るい未来を予言してもらうとうれしくなり、その人との心理的距離が縮まります。例えば「軽くなったヘアスタイルで、笑顔がもっと素敵になりますね」や「たくさんの人から信頼されるでしょう」と言い切る。応援する言葉です。
逆に、「またご来店下さい」「またお会いしたいです」は店の都合であり、ビジネス用語です。お客さまは店とビジネスがしたいのではなく、付き合いたいのです。なので、自分のことだけが書かれたお礼状が届くと心を開くのです。
⑤書き手の名前
店名・会社名と自分の名前を書きます。難しい読み方の名前はフリガナをふります。名前が呼べないと電話をかけづらくなります。
初対面で隣の人にお礼状
私のお礼状勉強会では、隣に座った人にお礼状を手書きするワークをします。初対面で、1時間ほどで名前を交換したばかりです。会話は二言三言しかしていなくても書けます。お礼状の型1~5を守るだけで読んだ人は一瞬でニッコリします。おうして「自分のことを書いてもらえるって、こんなにうれしいのですね」と言われます(資料H~L)。
お客さまの心をつかむお礼状を書くために、お客さまに興味を持ちましょう。自分の話を聞いてほしいならお客さまに心を開いてもらうこと。お礼状は「北風と太陽」の太陽です。お客さまが着ている‘‘コート‘‘は、押し売りや説得では決して脱がせられません。お客さまが自らコートを脱ぎ、心を開かせる太陽の役割を、手書きのお礼状は担っています。
見て、感じて、未来予告、この三拍子で書かれた手書きお礼状は、再来店させ購入へとつなげてくれます。







この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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