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【集客力を上げる方法実例】高価格の“有料お見合い”でファン客を見つけ育成する 髪花堂 美容室/北海道帯広市

    
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【集客力を上げる方法実例】高価格の“有料お見合い”でファン客を見つけ育成...
2015.11「安売りしない技術」髪花堂:高価格の“有料お見合い”でファン客を見つけ育成する-01

 一万円のトリートメントで新規集客に成功している美容室がある。北海道帯広市の髪花堂である。
 もちろん技術に自信があるからの価値付けなのだが、圧倒的に高い技術を感じてもらうための価格設定でもある。その目的は、確実にリピートし続けてもらうファン客を見つける。“有料お見合い”というべきものだ。
 新規客は、今通っている美容室を変更することを躊躇するものだ。同店でも「月一回の手書きチラシをご覧になった新規のお客さまは「チラシをみてずーっと行ってみたかった」と必ず言われます」と店主の松浦治さん。そこには、半年から1年以上も、今通っている美容院に通いながら、来店を悩んでいるお客の心理が見える。
 チラシで良さそうな店だと感じても、「カットやカラーが自分の思いどおりに仕上がるかどうか」「店の人と気が合うか」などと、心配してしまうものなのだ。

一万円のトリートメントで技術・人柄・店舗を知る

 そこで髪花堂では、店の様子を体験してもらい、人柄や相性を試してもらい、技術も感じてもらえるようにと、1万円のトリートメントを考案した。トリートメントならば、新規客はいきなりカットやカラーを試すよりも失敗がなく安心して試せるからだ。
 店舗は、圧倒的に「すごい!」と納得していただかなければ、特に不満なく通っている美術室を変更してもらえないし、値引き以外の魅力を提供しなければ通い続けてもらうことはできない。1万円という価格設定はそれ故である。
 1万円トリートメントの新規申込者は、「値段よりも結果を重視する特徴がある」と松浦さん。開業から25年、こうした上質な客層を集めることが店の寿命を延ばすことにつながっている。
 現在、月平均で5人が1万円トリートメントを利用。一回1時間の施術だから、5時間で5万円の売上げとなる。メニュー単価も大切だが、時間当たりの売上げを意識することがサービス業では重要だ。
 技術者一人、補助一人の夫婦二人で営んでいるため、施術できる人数には上限がある。確実にこなせる客数の中で、満足を先に提供し、技術・人柄・店舗を気に入っていただけなければ次回のカットやカラーを含めた予約につながっていく。1万円のトリートメントは、このサイクルを回すための重要な商品なのである。
 この“有料お見合い”商品は店販にもある。8000円のシャンプーだ。チラシでお知らせすることで、シャンプーだけを買いに来るお客を育てている。もちろん商品力がある商材故、使ってもらえればリピートにもつながり、店に通っていただくうちに「カットもお願いできる?」と予約につながっていく。
 価格ではなく、圧倒的な商品力と、気の合う人柄に反応した客層は、そのあとの技術客になったときに「あなたにお任せ」となる。技術も商材も、プロとして自分が納得できる品質で、長く提供し続けるために必要な価格設定をすると、長く付き合えるお客が自然と集まるようになる。

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月商の45%が店販 業界平均を超える理由

 1万円トリートメントと8000円シャンプーは近隣の住民を対象としているが、それには次のような理由がある。帯広市は、人口約17万人に対して美容室が450軒とコンビニの5倍ある激戦区。冬の積雪も考えると、確実にリピートしてもらえる距離のお客を集めないと集客費用が無駄になるのだ。
 また、ほんの50m先に、同時期にオープンした激安店がある。当初、大家からは「この値段では高くて店はつぶれるよ」と言われたスタートだったという。激安店と比べられながらもお客がついたのは、技術者として自分が納得できる商材を提供し続け、満足を与えたこと、この満足を維持するために必要な施術時間を確実に確保したからに他ならない。
 一般的に、美容室は店販が苦手といわれるが、髪花堂では月商の45%を8000円のシャンプーと、2014年6月から扱うウィッグでつくっている。
 ウィッグを扱うようになってしばらくすると、あるお客から「入院治療中で髪が抜けて悩んでいる家族に対応してほしい」という相談を受けた。そこで松浦さんはそうした悩みに応えるべく、ファッション用と同じメーカー製の同じ品質で、価格的には手ごろな医療用の扱いを決断、来店できないお客には病院まで出張するサービスを始めた。

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無料で出来るプレスリリースを行う

 併せて、こうした経緯とウィッグを通して髪の悩みをカバーして元気になってほしいという思いをまとめて、新聞社にプレスリリースを送った。すると、地元紙の取材が続き、それを読んだ人の来店が車で2時間半の距離からも続いている。
 遠方からの来店客は治療後も技術客にはならない。しかし、どんどんウィッグが売れている状況を目の当たりにした既存顧客が、店からのセールスなしで買っていく好循環が生まれている。
 自信をもって薦められる技術と商材を持つ努力とともに、松浦さんが一番心を砕くのは「お客さまの話を聞くこと」だという。そこには、「たくさんしゃべってスッキリしたわ~」と楽しんで帰ってほしいという思いがある。
 その結果、平均来店サイクルが2か月と短く、安売りして客数を増やさなくてもお客と現金が回っている。髪があってもなくても必要とされる美容室として、同店は値引きによらずに地域に定着している。

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この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。

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