【集客力を上げる方法実例】LINEが日本人にピッタリのツールに化けた理由

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中小店の死活問題「購入必要性発生一段階前」を知るために、個別に顧客とつながる必要性が生まれている
「LINEの方がうれしいです」――。
これは、私の指導先の店が、お客さまに「ご連絡は電話でよろしいですか?」と聞いたときの返答でした。
「LINE」浸透以前、店舗側からお客さまへのご連絡は「電話」が主流でした。しかし、携帯電話の普及に伴い、電話よりも携帯メールでの連絡が好まれるようになりました。
忙しいときに電話をとる煩わしさが、「無遠慮に自分の生活に割り込まれる行為だ」と嫌われたのです。
スタッフとLINEでつながることで「身近な店」と認識する
ところが、今度はメールアドレス登録の煩わしさが問題になり、「メールが確実に読まれたのか?」という新しい心配事も生まれました。
と同時に、メールは文字で要件を伝えるため、「言葉足らず」の問題や、状況説明が難しいなど、単なる連絡事項でも双方に思い違いが発生してしまう事態も出現しました。
そもそも、「対面」ならお客さまの表情を見ながら話せるので、よりお客さまに分かりやすく言い換えて説明を加えることができ、意思疎通に問題は起きません。
ところが電話になると、お客さまが理解しているか、もっと要望があるのではないかと探る手段が声のみですから、コミュニケーションが少し難しくなります。
そして、文字だけのメールでは、間違いなく、誤解なく物事を伝えるのはもっと難しく、お客さま側に、“店舗側は冷たい”という印象をつくり出してしまいました(図表①)。
人は感情に敏感な生き物ですから、ビジネスライクになりやすい文字だけの連絡が便利かもしれませんが、現実にはお客さまとの間に壁をつくる結果になっていました。
例えば対面で「ありがとうございます」と伝えるときは笑顔やお辞儀といった動作、見送りといった余韻が言葉に加えられますね。
これが、電話になると声のトーンで言葉に演出は加えられますが、表情や動作、余韻はそがれます。
メールになると文字だけになり味気なく、それでも何とか感情を伝えようと絵文字が生まれましたが、親密なお客さま以外には使用しにくく商売では使用をためらわれました。
こんな状況下に出現したのがLINEであり、「QRコードで登録が簡単」「既読になったかが双方確認できる」「カラー画面で視認性が高い」「イラスト一つで自分の感情を瞬時に伝えられるスタンプ機能」「嫌になったら関係性を即時に絶てるブロック機能」などが、お客さまに受け入れられ、あっという間に主要連絡手段に取って代わりました。
特にスタンプ機能は、言葉にしにくい感情表現を伝えることができます。次々と創作されるスタンプは実に表情豊かで、使用するスタンプのテイストで”自分らしさ”の表現までできます。
LINEが日本人にピッタリのツールなのは、大枠では「みんな一緒の安心感」がある一方で、「友達との違いもアピールできる」が同時に存在するからです(図表②)。
LINEは知り合い同士の閉じられた世界です。
言い換えれば「仲良しグループ」です。そこによそ者は入ってこられないので、LINEでつながっている同士はお互いの距離感を近く感じられます。
お客さまは、店舗スタッフとLINEでつながっている店舗を「身近な店」と認識するのです。
お客さまの希望を取り入れたことによって関係性が離れていた状態を、LINEはぐっと引き寄せる効果をもたらしました。



欲しくなった瞬間が分かれば簡単
ある化粧品店の悩みは、使用化粧品を使い切ったタイミングで来店がないと、ネットや量販店で購入されてしまい、お客さまとの縁が切れてしまうことでした。
そこで、「残り少なくなってきたらLINEくださいね。ちょっといいことありますよ」とお客さま一人ずつに声掛けしてLINEでつながりました。
すると、「今お風呂上がり~(ほかほか状態を表すスタンプ)いつものお風呂で使うのが切れそう(悲しい表情のスタンプ)」とLINEが来ました。
店主は「それは大変(びっくり表情のスタンプ)都合のいいときにお店に寄ってね」と返信して、さらに「商品とお茶とチョコレートの写真」と「おいしいチョコと紅茶も用意して待ってま~す(笑顔表情でお茶を差し出すスタンプ)」と続けました。
その結果、使い切り前に来店購入してもらえるようになりました。お客さまと個別につながることで、購入のタイミングピッタリにお知らせを届けられ、商品購入方法に変化を起こしたのです。
お客さまは商品購入するだけなら、手のひらの上で注文が終了するスマホでのネット購入や、長時間営業で低価格の量販店に流れてしまいます。
でも、個別につながることで「人の気配」がプラスされ「この人に会いに店へ行く」行動が喚起されるから個人路面店にも来店してもらえるのです。
商売は、「お客さまが“欲しくなった瞬間”が分かれば簡単」といわれてきました。「Amazonダッシュボタン」は、お客さま自身が商品のなくなりそうなときにボタンを押すだけで商品が届くサービスです。
このサービスを通してボタンを設置したお客さまの商品利用頻度がデータになっていきます。近い未来には、このデータを基に、消費予測を立て、ボタンがなくても商品がなくなるタイミングに次の商品が届くでしょう。
こうなると、お客さまは、そもそも「商品を購入しよう」と考えることをしなくなります。これは商売にとって恐ろしいことで、「商品を宣伝する場所」がなくなってしまいます。
人は、「アレ買わなくちゃ、でも他に何かいいものないかしら?」と考えて商品を探します。こうした人々に向けて宣伝広告がさまざまな媒体でなされるわけですが、お客さまは、探そうとしなければ、そもそも宣伝広告を見る必要がなく、瘦せている人がダイエットの広告を一切見たことがないのと同じことになります。
そうなると、店側は、「お客さまに購入の必要性が発生する一段階前」を知る手段を手に入れなければ生き残れなくなっていきます。
そこに、LINEで個別にお客さまとつながる必要性が生まれるわけです。

自店で購入後、ネット購入に流れるお客を減らす「LINE@」
人口が少ない地方から先に宣伝媒体が減少します。
新聞購読が減ると新聞折り込みチラシの枚数も減ります。かといって、ポスティングするには家と家の距離が遠くて効率が非常に悪い。「地域情報誌」は人口密集地を中心にまかれますから、結果として自店の商圏外にもまかれ費用対効果が悪くなる。
こうして、地方の店ほど宣伝自体が難しくなっていく。
だからこそ、出会えたお客さまを確実にフォローしていかなければいけませんし、電話だと「かけても大丈夫かな?」と感じる時間帯でも、LINEなら自分の都合で問い合わせができますから、せっかくの自店のお客さまがネット購入に流れる事態を減らすことができます。
ただし、できる限り早い返信をする覚悟は必要です。
お客さまはグーグル検索をはじめ、すぐに答えがもらえる状態が当たり前になってきているからです。気が付いたら対応する程度で大丈夫ですが、「お客さまは寂しがり屋だ」と思って早めの対応をしましょう。
ところで、ここにきて「グーグルはうそをつく」と、お客さまが検索をグーグルではなく、SNSでする変化が始まりました。
SNSは消費者の言葉で書かれているので販売側の都合は排除されているからです。
宣伝媒体は減少し、販売側の発信は検索されない状況になってきました。さらに、若年層になるほど電話を使わず、「知らない人に電話する、知らない人からかかってくる電話をとるなんて考えられない」と言われだしました。
そこで、電話するより手軽に質問や問い合わせができる「LINE@」を導入して、お客さま主体の新規接触方法を取ってもらい効果を出している店舗が増えてきています。
「LINE@」は、無料から低価格で商用利用できるメルマガ配信機能です。
文字だけでなく画像や映像も簡単に配信できます。
一対一のトークやクーポン作成もでき、個人LINEと一般的なホームページとの中間的な存在です。
ある相談薬局では、薬の郵送を希望されるお客さまとのやりとりを電話で行っていました。しかし、間違ってはいけないので確認を数回入れなければなりませんでしたし、お客さまが電話を受けることができる時間帯も限られているなど、不都合なことがたくさんありました。
ところが、LINE@に登録してもらったら、お客さま側から気楽にトーク機能(メールのようなもの)で注文が入ってくるので、店舗側は画面を見て対応するだけになった上、間違いもなくなって店側のストレスが大幅に減りました。
何より効果的だったのは、自店で1、2回購入した後、ネット購入へと流れるお客さまが減ったことです。

配送料&作製費の圧縮 空いた時間で接客濃度向上
これまでも、確かに「お客さまへの一斉お知らせ」が、リピーターを育ててきました。
ですが、ダイレクトメール(DM)は配送経費が上がり続け、メールマガジンは迷惑メール対策で未達が増え、開封率も下がり続けています。
ある宝石店では、DMの増え続ける配送経費と作業にかかる人件費に頭を悩ませていました。
そこでLINE@を取り入れてみました。新規客には一人一人に会員登録用の専用QRコードを示しながら「ご登録お願いします」と声掛けしてLINE@会員になってもらいます。
既存顧客には「毎月のお手紙をLINE上にもアップします。そちらで読んでもいいよと思われたら、ぜひ登録をお願いします」と、やはり一人一人丁寧にお願いをします。
登録していただけたら、その人宛てに紙で配送していた定期的なDMは送付を停止します。そして、DMを画像にしてLINE@に掲載します。
この方法で配送料と作製費を圧縮、手間をとられていたスタッフは、空いた時間でお客さまの接客濃度を上げて確実な売上げづくりに取り組めるようになりました。
その他、チラシやホームページ、SNSなど全ての発行物にもLINE@へのお誘いを載せています。
LINE@会員への登録を、商品プレゼントなどに頼ってしまうと、商品を受け取った後にブロックされてしまう率が高くなってしまいます。
お客さまはさまざまな売り込みをされ続け、鍛えられていますので、簡単にはエサに食いつきません。
販売員に丁寧に勧められることで、お客さまの自分を大切に扱ってほしいという「自己重要観」がくすぐられ登録へとつながります。
ホームページからは新規客から問い合わせが入ることはほぼありませんでしたが、LINE@からは気軽な問い合わせが入ってきます。
新規来店前に知りたいことを質問されたり、疑問に丁寧に答えることで新規来店につながることもあります。
紙のDMと「LINE@」の合わせ技で客数アップ
ただ、この店では、紙のDMをやめたわけではありません。LINE@は「軽い内容」を、紙は「重たい内容」を届けると使い分けて成約率を上げています。
例えば、LINE@で「大人気の耳つぼジュエリーイベントのお知らせDMを発送しましたよ~(キラキライメージのスタンプ)社長自ら耳つぼにキラキラジュエリーをつけて腰痛が和らいでいる恥ずかしい写真も載せています(照れているスタンプ)届いたら読んでみてくださいね」とユーモアと共にお知らせします。
これで、それから数日後にお客さまの手元に届くDMの開封率が上がります。
DMの内容は耳つぼジュエリーイベントを入り口にして、その後で本当に売りたい商品を長文でセールスしていますが、LINE@で予告済みなので熱心に読まれます。
そして、イベント予約を促すためにLINE@では、「DMでお知らせしたイベントですが、ただいま設営に冷や汗かいてます~(冷や汗ダラダラのスタンプ)間に合わないかもと思いながらモグモグタイムは忘れないんですけどね(おやつを食べているスタンプ)」、続いて「笑顔で設営中の写真」を送ります。
イベントが始まったら当日の様子も30秒ほどの動画で伝え、紙のDMとLINE@の合わせ技でお客さまの興味を引き出し来店客数アップへとつながっています。
LINE@での接触頻度は、基本的には一週間に一度として、イベント時にはカウントダウン的な使い方をしています。
LINEでは、トーク機能だけではなく、次々と新サービスがリリースされています。
お客さまのスマホに自店のポイントカードを作れますし、自店だけの仮想通貨も発行できます。
支払い方法に多様性を持たせる「LINE Pay」など、最新技術が無料から低価格で利用できます。
日々更新されるサービスはLINE公式ページで確認し自分で体験しましょう。
もちろん実名が分からない現状など、利用しづらい要素もありますが、完成を待っているうちに店舗側が取り残されるほうが心配です。
人は便利を知ってしまうと元には戻れない生き物です。
LINEは、お客さまの日常に変化を次々ともたらしています。そして、いつの時代も道具が素晴らしいのではなく、道具を使って何をするかの方が重要です。
お客さまを丁寧にフォローして、LINEを使ったコミュニケーションを意識して使ってみましょう。
この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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