デジタルでもファン客を意識する時代 焦らないお客と付き合う極意
「デジタルでもファン客を意識する時代 焦らないお客と付き合う極意」
セミナーの内容をブログにまとめました。動画をあわせてお読みいただくと理解が深まります。

Contents
- 1 近年、夏の暑さによる来店客減少に悩む来店型店舗が増えています
- 2 売れない理由は、欲しくないから
- 3 商いは、恋愛に似ています。
- 4 店が伝えたいことではなく、お客の知りたいことを伝える
- 5 お客とのコミュニケーションには、店内で伝える、店外で伝える、と2つの方法があります
- 6 「お店から呼びかける」と「(販促に反応して)お客が勝手に接触してくる」の違い
- 7 接触回数×質=人間関係
- 8 ホット客は絶滅し、じっくり客が増えています
- 9 商品スペックではなく、お客の悩み解決というベネフィットを伝える
- 10 人の脳のクセ①「考えるのがキライ」
- 11 人の脳のクセ②「信頼している人は最初に良いものを勧めてくれる」
- 12 人の脳のクセ③「足し算は損した気分。引き算は得した気分」
近年、夏の暑さによる来店客減少に悩む来店型店舗が増えています
炎天下、猛暑でお客様は外出したがらず、売る以前に店の客数は減ります。そんなとき、お客様を店に呼び出せる。つまり、電話ができる、電話をすれば店にいらしていただける。お客様とそんな関係づくり出来ていますか?
来店型店舗では、デジタル系とアナログ系に分ければ、後者の方が多いかと思います。コミュニケーションを取ることは、アナログ系のお店にとっては当たり前のことかもしれません。
でも、デジタルの世界から商売を始められた方にとって、お客様とコミュニケーションを取ることは新鮮なことのようです。それに難しい。

逆に、アナログで経験豊富なお店が、デジタルの伝える技術を習得し、繁盛させた事例をたくさん見てきました。実際、今日のテーマは、デジタル系よりアナログ系のお店の方が得意なはずです。
今どきのお客様は、追いかけられ、囲い込まれることを望んでいません。だから、お客様の方から繰り返し接触を求めてくるような関係づくりを目指します。さらに、一度できた関係を長続きさせる方法を持つ必要があります。
売れない理由は、欲しくないから

昨今、お客様は焦って買うことはなくなました。品ぞろえが豊富なら売れた、限定品を置けば売れた時代は終わりました。日本中の地域密着型のお店も、売れなくて困っているといっても過言ではないでしょう。
なぜ、売れないのか。
唯一最大の理由は欲しくないから。
これに尽きます。
ならば、私たちはお客様を、欲しい気持にさせないといけません。“欲しくはないが必要な物”、例えば子供が学校で使う文具は、お客様は百均のような安い店で買います。そこで節約して、本当に行きたいディズニーランドに行く。私たちが目指すべきは、この”本当のほしい“がある店です
商いは、恋愛に似ています。

相手と接触が多いほど、対象の情報量が多いほど、関心が高まります。実は、これは脳のクセに理由があり、情報量が多いモノやコト程、「良いもの」と判断するのです。
具体例を挙げますね。ある製パンメーカー系のコンビニの話です。その加盟店は食パンが売れませんでした。致命的です。大手メーカーの定番ですから、テレビCMはバンバン流れています。でも売れません。
そこで、オーナーはB4サイズ両面の独自のチラシを作りました。うち、片面の半分(B5)に、びっしり、150円の食パンについて書きまくりました。
すると、にわかに食パンが動き始めたのです。製パンメーカーの工場製ですから、どこの店にもある商品です。なのに、「この店で買うとおいしい」という人まで現れました。これは、食パンの情報量が増え、脳による評価が変わったことによります。

あなたの店は、150円よりもはるかに高いものを売っていると思います。一体、どれほどの情報をお客に提供されているでしょうか。「さらっと」ではダメです。「そんな沢山書いて、誰が読むの」という疑問もあるかと思います。もちろん、全員ではありませんが、最後まで読んで下さった方こそ、あなたの店のお客様になってくれるのです。
店が伝えたいことではなく、お客の知りたいことを伝える

補聴器販売店では、いつもメーカーチラシを配っていました。メーカーは有名なシニアタレントを起用し、詳細なスペックを伝えるチラシを用意してくれています。でも売れません。
そこでオーナーは、“お客様の知りたい”を伝えるチラシを作ることにしました。「補聴器を使ってみよかった」メリットをお客様にうかがい、その経験を具体的に伝える内容のチラシを撒いたのです。
1日目だけで、60万円の売上げになりました。中には、「他社チラシを3年以上検討して、この店に決めた」というお客様もいらっしゃいました。2日目は以前に接客し、自宅でお試しまでしても購入に至らなかったお客が来店されました。
このオーナーの作ったチラシには、補聴器の機能には触れていません。お客様にはわからないからです。メリットを伝えるチラシなら、機能が新しくなっても内容を改める必要もありません。
一般に、補聴器は購入後に3~4か月間の調整が必要になります。そのため、お客様にとってはお店との相性がとても大事です。また、購入以前にそもそも店に来ていただかなくては、接客もできません。「この人に会いたい」「この人に相談しよう」と思ってもらえるチラシにする工夫をしました。
お客とのコミュニケーションには、店内で伝える、店外で伝える、と2つの方法があります

店内は対面での説明(あえてPOPも含めます)だけです。これに対して、店外は無数と言ってよいほどあります(図参照)。
●張り紙:よく「お金がない」といわれると、私は「コピー用紙はありますか」と返します。お金がなら、看板や張り紙から始めましょう。皆さんの店舗なら、必ずお店の前を人間が通りますね。一人以上通るなら十分です。
●チラシ:チラシは新聞配達が基本ですね。でも、外出するときは必ず持って出て下さい。紙なので外出先で手渡せる強みもあるので、必ず配って下さい。
ただ、昨今ポスティングが難しいというお店もあるようです。コツは、こそこそしないで明るく配ること。万が一注意されたら、謝ればいいだけの話です。悪いことをしているわけじゃありませんから。
●DM・NL・手紙:これらもチラシと同じで、手渡しできます。
●電話:防犯から、電話自体をとる人が減っています。大事なのは、お客様に電話できるような関係になることです。
●デジタル販促:HPやSNSなどデジタル販促も急速に進歩しています。取り組んでいる店はまだ少ないので、やる価値、先行者利益は十分あります。無料のものも多く、最低でもGBPには情報を出しましょう。自店の位置を無料で検索サイトの地図上に掲載してくれます。
HPには必ずブログ欄を設けて、ブログを書き続けましょう。アメブロではだめです。自社HPに書き続けた情報が蓄積されて、検索の上位に表示される日が来ます。ブログは、色々なデジタル広告の基礎となる情報です。
「お店から呼びかける」と「(販促に反応して)お客が勝手に接触してくる」の違い

「お店から呼びかける」と「(販促に反応して)お客が勝手に接触してくる」の違いを理解しましょう。前者は、店内、チラシ、ダイレクトメール、ニュースレター、手紙電話。後者は、看板、張り紙、ブログ、スマホ検索、デジタル広告が含まれます。有料、無料含めて、できるだけ、多くのメディアでコミュニケーションを取りましょう。
それと、「お客が勝手に反応する」ためには、情報はお客様にも分かる内容でないといけません。「同業者を意識して専門的な内容を伝えたい」というお店がありました。同業者を気にする必要は全くありません。競合店は買ってくれませんから。コミュニケーションは店側とお客様とのやりとりの積み重ね。お客様が分かりやすい内容を意識して、専門用語はできるだけ使わないようにしましょう。
接触回数×質=人間関係

やりとりを重ねるのは、人間関係を作るためです。これには以下のような公式があります。
接触回数×質=人間関係
そして、人間関係ができてしまうと、商談は大変スムーズに進みます。「よく分からないけど、あなたが勧めてくれるなら買うわ」。目指すべきはこうした関係です。
ホット客は絶滅し、じっくり客が増えています

「ホット客」って分かりますか。最近は聞きませんし、死語かもしれません。
夏真っ盛りの頃、弊社の冷蔵庫が故障しました。冷凍食品が溶け出すなど大変でした。「どんな冷蔵庫でもいい。とにかく今日配達、設置してくれるなら、性能は問わない。収納なんかどうでもいい」このときの弊社が、まさにホット客です。こういうお客様ばかりだとラクですが、今は滅多にいません。
逆にじっくり待って、勉強してから買うお客がほとんどです。自分が「買おう」と思うタイミングまで、学ばせてくれる、楽しませてくれる、そういうお店と、お客様は付き合いたいのです。だから、商品やサービスについて語るべきことがない店は、買っていただけません。
そうかと言って、お客様と同じレベルの知識では通用しません。例えば、来店される前にお客様はネットで検索して、購入する商品やサービスについて勉強されています。だから、ネットから得られる情報は、店も知っておいてほしいのです。
その前提でネットにない情報を提供できないと、プロではありません。受講生の皆さんは、お客様が知らない、入手できないような情報を知り得る立場にあります。「そんなこと、ネットに書いてなかったわ」。をお伝えして、楽しんでもらう先に購入というゴールがあります。
商品スペックではなく、お客の悩み解決というベネフィットを伝える

お客にとってわかりやすい情報とは、お客様の悩みをこの商品はどう解決するのか? この商品サービスを買うとなにが得られるのか? といった結果です。
例えば、便秘薬の情報なら、まずお客様に寄り添う。朝トレイを独占して、家族のひんしゅくを買っていませんか。電車などで移動中の突然の便意が心配ではないですか。悩みを具体的にあげます。
次に、お店にいらしてくだされば良い薬があると伝えます。このとき、薬の成分や効く理由など、専門的な話は必要ありません。お客様は、そんな話は理解できないからです。例えば、便秘薬なら「便秘が治る」ではありません。治ったらどんな不便や不安が解消されるか、それを伝えるのです。詳しいことは、お店でお会いしてから説明しても間に合います。
これを、お客様の「ほしいタイミング」が合うまで続けます。やってみたけどダメでした、というお店もありました。でも、私の感覚だと、「本当にやったのか」「スグにやめすぎ」です。お客様は、「じっくり待って買う」に変わったのです。慣れない手法で、なかなか成果がでないかもしれません。でも成果の出たお店は、この手法が好きなるようです。商売人って現金ですね。
人の脳のクセ①「考えるのがキライ」

「考えるのが嫌い」というノウのクセと、それを応用した客単価アップの成功事例を紹介します。事例は、弊社の店の経験談です。
ごえんは、山奥で飲食店(#龍の家つけち狭ブルー)を営業しております。その、メインメニューが、ジビエ鹿肉カレーセット(1600円)です。鹿肉ソーセージ(350円)とフワフワ卵(180円)のトッピングを用意していたのですが、これが全くという程売れませんでした。
何とかしなきゃと思いつつ、夏の繁忙期を控え、新たにオペレーションを変えたり人手をかけることはとてもできません。あれこれ考えた末、あることを変えたら1日30~40食も売れたのです。売上げにすると、1万5000円(差額500円×30食)から2万円(同500円×40食)のアップ。しかも、たった1つの変更によって、です。
その答えはメニューの書き方です。初めからオプションを全部のせたメニュー、「全部のせ」に変更しました。つまり、従来のジビエカレー(1600円)に、初めからソーセージ(350円)とフワフワ卵(180円)をのせて、2100円としました。端数の30円を切り捨てたのは、釣銭の手間を省きたかったのと、お客様へのサービスです。これを、メニュ一表の一番上にかきました。

変更1日目に7割のお客様が「全部のせ」を注文されました。これは、「考えるのは面倒」というヒトの脳のクセが作用した結果です。面白いとつくづく思いました。ちなみに「全部のせ」というメニュー名も、「全部のせで」という実際のお客様から注文のされかたから名付けました。
人の脳のクセ②「信頼している人は最初に良いものを勧めてくれる」

別な脳のクセとして、「信頼している人が勧めるものはいいもの」という思い込みがあります。これも弊社の事例です。
弊社のメガネ店では、メガネレンズは約1200種類あります。私は、一番初めに8万円のレンズを、お薦めします。この時点であれば、商品の機能を紹介するのは一向に構いません。
お客様が「うーん、予算的にちょっと」とおっしゃったとします。すると「予算も大事ですね。機能Aを省いた6万円のものもありますよ」と少し価格の低いものをお薦めする。それでもお客様が迷われたら、機能Aと機能Bを省いた5万円ものを、と続けていきます。
高額品を勧めることをためらわれる方が、いらっしゃいます。でも、「買う」「買わない」を決めるのは、あくまでもお客様。私たちの仕事は、お客様にとって良い商品を紹介することです。
それと、薦める順番を間違えないように。信頼する人が自分に一番初めに紹介するのは、一番良いもの。そう脳は思い込んでいます。
人の脳のクセ③「足し算は損した気分。引き算は得した気分」

脳はお金についても、考え方にクセがあります。例えば、アルバイトをした賃金について。当日の支払いだと1000円、1カ月の支払いだと1100円とします。多くの人は当日の1000円を選ぶそうです。不確かな未来よりも、現実ということでしょうか。
また、足し算は「お金をなくした感」を、逆に引き算は「お金を得した感」をそれぞれ感じます。例えば、元々600円だったものに200円加えた800円は「損した」、元々1000円だったものから200円引いた800円は「得した」です。同じ金額でも感じ方は同じではりません。面白いですね。
ジビエカレーの話に戻ると、7割のお客様が「全部載せ」を注文とお話ししました。2割のお客様は「全部載せ」の内容をお尋ねになり、「卵とソーセージ」と答えると「ソーセージだけ」と注文されました。これも、「全部載せ」から引き算して、「得した感」の例です。
あなたのお店でも、ぜひ応用してくださいね。
この記事は、地域商店マーケティングコンサルタントの山田文美が書きました。
ごえんでは、こうした店舗の集客、セールス、接客、顧客心理などについて、毎月、ZOOMで無料勉強会を行っています。(5月と12月はお休みです)
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