あなたも今日から売れる人になれる【必殺セールストーク】欲しくないモノを欲しくさせる秘密を大公開!

私は、7歳の頃から家業の旅館を手伝い、マーケティングに“どっぷり”つかった人生を50年以上送ってきています。そのいっぽうで、地元の岐阜県中津川市付知町(つけちちょう)で宝飾店を営んでおります。今でも店に立てば、3日で1500万円売る現役の販売員でもあります。
今日お話しするのは、「必要のないものを欲しくさせる」必殺トークの初歩です。宝石以外の商品にも応用でます。内容は大きく2部構成、「セールスドミノ」と「欲しいと欲しくないの間を探す」です。
Contents
- 1 セールスドミノとは? 「さかのぼって考え、改める」と売れる仕組みです。
- 2 挨拶とは、お客様の口を動かすために存在する?!
- 3 挨拶はコミュニケーションなので、双方向
- 4 雑談の目的は “感じの良い人”と思われること
- 5 雑談ネタは、「井戸端会議はあてにして」(図)をご覧ください
- 6 笑顔のワケは、お客様が話しかけやすくなるからです
- 7 会話どろぼう、してしまっていませんか?
- 8 お客様の脳にスキマをつくる問いかけ
- 9 お客様が今日はどのような目的で来店されたか確認する
- 10 お客様は素人、「何か良いもの」を見つけるのは、専門家である店の仕事です
- 11 「何を求めているか」を理解するため、「YES」「NO」で答えられないことを問いかけます
- 12 最近のお客様が鍛えられている現実
- 13 価値は理性ではありません
- 14 すべて同じ80万円。あなたならどれを購入しますか?
- 15 実例「必殺セールストーク」
- 16 接客前に、必ず「ハイ」を言わせる
- 17 クロージングは行動を促す「考え中は絶対にしゃべらない」
セールスドミノとは? 「さかのぼって考え、改める」と売れる仕組みです。

セールスドミノの「ドミノ」とは、ドミノゲーム、ドミノ倒しのドミノです。
「お店を見つける」から「リピート」までのプロセスを分解したものです。最終目標である「リピート」が上手くいかないのは、その前の「購入」ドミノが倒れていないから。その「購入」が上手くいかない場合も、その前の「クロージング」ドミノが倒れていないから……。 このように、「リピート」に至るプロセスを細かく分類し、原因を遡って考えるモノの見方がセールスドミノです。
図のうち、「お店を見つける」「お店に入る」は集客プロセス。今日は、「あいさつ」から「リピート」までの接客を学びます。
挨拶とは、お客様の口を動かすために存在する?!

セールスでする挨拶、声掛けの最も大きな目的は、お客様に口を動かしていただくことです。人は緊張すると、食べない、座らない、そして話を聞かないへとつながります。これは避けたい。お客様をリラックさせる、そのために口を動かす契機は、店側が提供しないといけません。その仕掛けが挨拶です。
挨拶や声掛けは嫌われると心配される向きもあるでしょう。ただ、何の声掛けもなければ、お客様は「無視された」と誤解します。黙って売場を壁伝いに一巡して、黙って外へ。その後、「感じ悪い店」と言われます。必ず、声をかけてください。「存在を認めましたよ」というシグナルです。
挨拶はコミュニケーションなので、双方向

挨拶の言葉がけは、相手が返せる、応じられるものが求められます。よく使う「いらっしゃいます」も、決して失礼ではありません。ただ、お客様としては答え難いのです。「使う際は、必ず「いらっしゃいませ」の次に何か付け加えてください。
「こんにちは」はどうでしょうか。店側が「こんにちは」と言えば、お客様は「こんいちは」と返せます。「暑いですね」と言えば、「暑いですね」と返せます。

私のお奨めは「今日は道(道路)が混んでいませんでした?」「どちらの道から、いらっしゃいましたか」。お客様は、色々な返しができます。もちろん、悪天候など余りにもすいている日には使いません。
「売り込みが苦手」という方は、売り込まず練習させてもらいましょう。「新商品なんです。一分間だけ、説明練習させていただいてもよろしいですか」も、拒む人はまずいません。後で説明するように広がりのある声掛けです。
雑談の目的は “感じの良い人”と思われること

あいさつの次はストレッチトークです。いきなり運動すると体を傷めますね。ストレッチトークとは、次のカウンセリングに入るまえの雑談です。目標は感じの良い人と思われること。
雑談ネタは、「井戸端会議はあてにして」(図)をご覧ください

「い→相手のイメージ」は、鞄や靴などを含め相手の外観をとにかくほめること。「い→田舎」は出身地を伺います。「は→初物」は、例えば春ならカツオ、秋ならサンマです。雑談はそれなりに準備が必要です。ネタ帳を作ってください。
笑顔のワケは、お客様が話しかけやすくなるからです

ですが、必ずしも内心まで笑顔である必要はありません。要は笑顔に見えることが大切です。口角を上げると、脳から笑顔の信号が伝わるという説もあります。
会話どろぼう、してしまっていませんか?

こちらから話すときは、「しゃべってもいいですか」と許しを得ます。先ほどの「説明の練習をしてもいいですか」と同じ仲間です。こう話しけると、お客様は「えっ」という表情を見せます。これは、脳にスキマができた瞬間。脳はいろいろなことを一度に考えていますが、予期しない問いかけで脳の働きが止まるのです。
私はこのスキマを作るために、お客様が予期しない問いかけ、話し方をすることがあります。提案を聞いてもらう余裕ができました。
お客様の脳にスキマをつくる問いかけ

先ほどの、「説明の練習を1分間させていただいてもいいですか」を思い出して下さい。まず、許可を得ること。この場合、正確に1分間で終えることが大事です。次いで「1分経ちました。続きを聞いてもらってきいですか」と尋ねてください。大抵のお客様がOKされます。あとはこちらの話したい放題になります。
コチラが話したいことを先にしゃべってしまうのではなく、まずはお客様に話してもらいましょう。「〇〇ありますか?」と聞かれたら「そちらを探しておられるのには何か理由がおありなのですか?」などと質問してみましょう。
お客様が今日はどのような目的で来店されたか確認する
実は、100%のお客様が、「何か良いもの」があって「予算内」であれば買って帰ろうと考えていらっしゃいます。
厄介なのは、お客様自身はこの「何か良いもの」が分かっていません。さらに、100%のお客様が自分の気持ちを隠していらっしゃいます。「鴨がネギを背負ってきた」とは思われたくありません。
お客様は素人、「何か良いもの」を見つけるのは、専門家である店の仕事です

例えば、お客様がドリルを買いにいらしたとします。よくお話をうかがった結果、お店は「穴の開いた板」を提案します。これは、お客様にとっては想定外。「欲しい」には「ドリル」、「欲しくない」には「穴の開いた板」がそれぞれ当てはまります。「欲しい」「欲しくない」の重なり合う部分に「価値」が生まれます。こうした提案は、実は購買が決まったときは皆さんが無意識に毎回やっているはずです。
「何を求めているか」を理解するため、「YES」「NO」で答えられないことを問いかけます

例えば、「手相を見ましょうか」は「YES」「NO」を迫る問いかけです。そうでなく「どちらの手相ですか」と尋ねれば、お客様は選ぶことができますね。
最近のお客様が鍛えられている現実

昔は、商店の数が少なったので宣伝の必要もありません。何でも置けば売れる。だから、品揃えの数を広げれば良かった。それではお客様が買わなくなったので、限定品を置くようになった。すると、お客様は次の限定品を待つようになった。商品だけでは、差別化が難しくなりました。
試飲を例に、問いかけの話に戻ります。
昔は、「試飲です。召し上がりませんか」で通用しました。今は「試飲です、イチゴとバナナです。どちらにしますか」に変わりました。お客様が鍛えられていることは、先にもお話した通り。接客トークも時代とともに変わるのです。さらに、山田流のトークを紹介すると、「試飲はイチゴとバナナです。飲みたくないほうは、どちらですか」。お客様は、一瞬戸惑った表情をされます。これも先ほど説明した“脳のスキマ”、こちらが会話の主導権を握る転換点です。
「買う」「買わない」を決めるのはお客様。商売は、100%お客様が主導権を握っています。だからこそ、脳のスキマをつくり会話の主導権を握ることが大切なのです。
ほかに山田がよく使うスキマトークに、「今日あったこと、なかったこと。話して下さい」があります。これも、「えっ」という表情をお見せになります。
タイミング的には、クロージングをして、お支払いを終えた後も、“脳のスキマ”ができます。ここで提案しない手はありません。
例えば、指輪をお求めになったお客様には、それとペアの、あるいは似合うネックレスも提案します。ついでに、ピアスも。その際、同時にお求めになった場合の、月々の支払計画も提案しましょう。
追加のお求めがない場合でも、「次回ご来店の際は」とお客さまの記憶に印象付けることができます。これは、宝石以外の商材、例えば洋服でもよく売る販売員は取り組んでいます。
お客様の脳をちょっと混乱させる工夫を考えてください。
価値は理性ではありません

今日のテーマは宝石を売る時のトークです。お客様は、正直宝石は欲しくありません。理性では、宝石の“ほしいスイッチ”はONにならないのです。かと言って、様々な宝石の知識、例えば化学式を知ったとしても、欲しくならないでしょう。
すべて同じ80万円。あなたならどれを購入しますか?

自店で売れたワニ革のハンドバッグとダイヤの指輪、そして町で見かけた軽トラックです。偶然ですが、いずれも80万円でした。このうち、もっとも実用性があるのは軽トラックです。ワニ革バッグもモノを運べますが、紙袋やスーパーの袋でも代用できます。指輪はどうでしょうか。価値を利便性とすれば、指輪の価値はありません。
それでも、3者それぞれに価値を感じ80万円出して買う人がいらっしゃる。要は、商材ごとにその方が感じる価値を見つけてあげれば、売ることができるんです。ちなみになんでも売れます
実例「必殺セールストーク」

【実例1】40歳くらいの女性が、ピアスを熱心にご覧になっています。なんて声掛けしますか。
「お客様、ピアスですか」はよく聞きますが、ダメです。「この販売員バカなの?」と疑われるかもしれませんからね。私のお店の販売員は「今日は、ご自分用ですか、贈り物ですか?」と尋ねていました。私は心で拍手していました。
「プレゼントの下見」だと確認すると、「では今日は、プレゼントを選ぶお手伝いだけさせてくだい」と続けています。「売る」「買って」とは一言も言いません。「お手伝い」でお客様は安心です。
お客様の承諾を得て彼女が薦めたのは、「流行のもの」「年齢にあったもの」「彼女が一番薦めたいもの」の3アイテムでした。
さらに尋ねると、娘さんへのプレゼントだと分かりました。すると彼女は「素敵ですね。そういうお母さま、私も欲しかったなあ」と、お客様を自然に褒めていました。それ以降会話は大盛り上がり、結局、その方は5万円程のピアスを購入されました。
後から私がお客様にこっそりご予算を確認すると、1万円だったそうです。この若い販売員は天才かと思いました。
マネージャーなら、「どんな教育をすればこうした受け答えができるか」気になりますね。山田が思うに、これは場数を踏まないと身に付きません。大切なことは、失敗を怖がらないこと。凹まずに場数をこなしていきましょう。
【実例2】母親らしきお客様が、子供用のかけ布団を熱心にご覧になっています。「子どもが夜中に布団を蹴飛ばしてしまうのよ」とお困りの様子。どう対応しますか。
子どもの習慣や子ども用の寝具について、詳しく説明して差し上げる。これでは、売れません。「お子さんが布団を蹴飛ばしてしまうんですね。お母さん、風邪ひかないか心配だし、色々と大変でしょう」と問いかける。すると「そうなのよ……」とお客様が話し始めます。
聞き終わったら、「実は子どもが布団を蹴飛ばすには理由があるんです。それを、お話ししていいですか」と許可を求めました。するとお客様は「ええ?どうして。教えてください」と返事されたそうです。頼まれたのだから、言いたい放題。しかも、親切と喜ばれる。もし頼まれる前だったら、押し売りと誤解されます。
結局、そのお客様は5日間の試用期間の後、子ども用寝具をお求めになりました。因みに、最近は「お試し」は使いません。「無料で、〇日間使っていただけます」とします。これだと、お客様は自分の物と錯覚し、購入の確率も上がります。
【実例3】ご子息が有名大学に入学された、というお母さまが来店。お祝いに、本人希望のロレックスの時計をお求めになりたいとのこと。ロレックスだけ売るのは、もったいない。あなただったか、どうしますか?
ロレックスを案内する前に、お母さまを褒めたのです。「すごいですね。どうしたら、そんな優秀な息子さんを育てることができるんですか」。そこで会話はもう大盛り上がり。ロレックスを購入いただきました。その後です。「息子さんが合格するまでは、お母様も大変でしたでしょう。お母さま自身のための記念、お祝いの品も何かいかがですか」と提案してみました。結局、真珠のネックレスを購入されました。
色々な業種があるともいます。みなさんのお店にも、応用できるはずです。
接客前に、必ず「ハイ」を言わせる

初歩の必殺トークをまとめておきます。
・今日は下見ですか。それとも、急ぎで何かお探しの理由がございますか。
・今日は自分用の下見ですか。プレゼント用ですか。
・「はい」「いいえ」で答える問いかけでなく、選ぶ問いかけの有効性
上記はかなり使えます。
ただし、“話しかけないでオーラ”全開のお客様もいますね。そんなときは、「必要な時は呼んで下さい」とお声がけしておきます。呼ばれてすぐ行けないと、不機嫌になることもあるくらい、お客様は「必要な時には店員に飛んできてほしいのです。接客販売って、矛盾があるようにも感じてしまいますね。
「〇〇なのは、何か理由がございますか?」
これは、「●●を探しているの」「●●がほしいの」というお客様への返しです。実は、お客様は話したがっています。聞いて差し上げないといけません。
「ああ、だから、今日、当店に起こしくださったのですね。」
これは、お客様から来店理由をうかがった時の返しです。「チラシを見た」「●●が気になる」に対し、お客様のお話を肯定する。お客様は「はい」と答えるしかありません。「ご覧になりますか」「おかけください」と進めれば、「はい」が続きます。接客前に、この問いかけと肯定は絶対やってください。この段階で、商談は決まります。
クロージングは行動を促す「考え中は絶対にしゃべらない」

クロージングでは、お客様に行動を促します。廉価な商材ならここで「買って」と勧めましょう。そうでない場合、「今日決められるといいですよ」と考えることを促します。
お客様が考えていらっしゃるときは、絶対に黙っていること。これが難しい。ついつい余分なことを言ってしまいがちです。考えている最中に水を差すと、お客様は我にかえり、「家で考えます」と帰ってしまわれます。
例えば不動産のようにかなり高価で購買頻度が低い商材の場合は、その日の商談を整理して、メールや手紙で後日お伝えする。未来予測することで、次回商談につなげるのです。
今回のテーマはセールスドミノと、価値の発見でした。商談が不成立だった場合、各ドミノつまりプロセスを細かく分け、遡って考えてください。

この記事は、地域商店マーケティングコンサルタントの山田文美が書きました。
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