【集客力を上げる方法実例】ど演歌チラシ あなたの生き方を伝えると新規客がいきなり「ひいき客」になる

「演歌」とは、生きざま、人生、人情を歌い上げ、人々の心をつかむ日本のソウルミュージック。いま、そんな効果をも持った“ど演歌チラシ”が全国各地で大きな成果を上げている。あなたの生き方を伝えると、お客は必ず心を動かされる!
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読んだ人が「応援したい」「職場で自慢した」「店長さんに会いに来た」「あなたの店の商品を使ってみたい」と行動につながるチラシがあります。
このチラシを新聞折り込みにすると、はがきが届く店があります。そのはがきには「大切なお店だから守ってほしい」と書かれています。常連客ではなく見込み客が、チラシの感想を書いて送ってくれるのです。このチラシで来店したお客は初回来店で、いきなり常連客にまります。
チラシを読んだ見込み客が、自分が来店するより前に新規客を何人も紹介してくれる店もあります。「この店いいから行ってみたら」と紹介されて次々と新規客がやってきますが、その紹介してくれた人はまだ初来店もしていません。
初回来店客が10分で20万円のお買い上げを即決されました。店主は驚き、「どうして当店にお越しくださったのですか?」と聞くと、かばんから3年前のチラシを取り出して「ずっと行ってみたいと思っていた」――と言われる店もあります。これらはど演歌チラシを作っている店には珍しいことではなく、よくある現象です。
たかがチラシなのに読者がついて、「頑張ってね」と応援してもらえる、それがど演歌チラシです。チラシの言語は「まき散らす」にあります。対象客を選ばずまき散らすのですから、効率が悪いように思われています。
ところが、ど演歌チラシは新規客が来店する前からすでに店の応援を始めてしまうほど、お客と店との絆をつくり上げるのです。
演歌で思い浮かぶ言葉を表現するのがど演歌チラシ
「演歌」と聞いて何を思い浮かべますか?泥くさい、生きざま、人生、人情、苦労、下積み、カッコ悪い、田舎などの言葉を口にされる方が多いようです。個人差もあるでしょうが、多くの人が演歌と聞いて思い出すのは、人が無視できない感情に関わることです。だから好き嫌いがあっても演歌はすたれない。長持ちします。熱狂的なファンを生み、応援されます。
店もこうなったら、「頑張って売る」状態が「勝手に売れていく」状態に変わります。お客を説得する必要性が低くなります。来店する前から、お客があなたを「ひいき」にしてくれるのですから。
図表は「販売の三角形」を表しています。左の従来のチラシは、店として意味のあることを伝えて売りました。より優れた商品とサービスを武器にして、ライバル店と戦うイメージです。でもそうして売るのは徐々に難しくなってきました。お客は情報を多く手に入れ賢くなり、物流の発達で店を選べる確率も格段に増えたからです。
そこで、この2段の三角形にもう一段「人となりを伝える」を土台として加えます。そうすると、「売る」が「売れる」に変化します。
この土台こそ“ど演歌チラシ”です。


人5割、商品技術3割 店舗2割、金額は目安だけ
店はお客に選ばれる立場です。店の強みが明確ならば、集客は簡単です。
ところが、圧倒的に強い部分を持っている店はほんの一握りです。仕入販売店は商品力で勝つには資本が多く必要ですし、技術が売りものの店でも世界ナンバーワンの技術を持っている店は数えるほどしかありません。
商品や技術は良くて当たり前。プラス新規客に選んでもらうための何かが必要なのです。その一つ、「店主やチラシを書く人の生き方」を伝えると、新規客が店をひいきにしてくれます。
ひいき客は、店の強い部分ばかりではなく、弱い部分もひっくるめて好きになってくれます。その上、優しく共感力が高い資質を持っています。小さな店にこそ必要な客層です。
お客はお客である前に人です。お客と店の付き合い以前に、人と人として「それ、いいね」と感じ合える関係をつくれる資質を持った人をお客にすると、商売は楽しくなります。あなたの伝えることを喜んで聞いてくれる客層だからです。
この客層を見つけるのにど演歌チラシは役立ちます。ナンバーワンがなくても、当たり前のものしかなくても、「生き方」を伝えたら、お客に選んでもらえるのです。
そして、人は人に興味津々です。お客が初めて入店する店に対して持つ不安は、販売員に対することが5割、商品技術3割、店舗2割、金額は目安だけです。それなのに既存のチラシでは、商品5割、金額5割、店舗は店名だけ、といった配分がほどんどです。
ここを見直すと、あなたのチラシにも「ひいき客」がつきます。
チラシを入れるのが怖いほど熱烈客が殺到する理由
奈良県桜井市に、自分たちが本当にお客に提供したい商品ではないという違和感を持ち、地域最安値店から思い切って国産フレームと高機能レンズを定価で売る店に転身した眼鏡店があります。今までの顧客名簿は割引優先で集めていたので使えなくなりました。
そんな中、ど演歌チラシを始めたら大きな変化がありました。新規客を中心に顧客数、売上げ共にじわじわ増えて、月間荒利最高額を記録。消費税値上げ前よりも忙しく、一度ど演歌チラシを折り込むと忙しくなり過ぎるのでスタッフたちは「チラシを入れるのが怖い」とまで言います。期待して来店してくれるお客に応えようと、スタッフの意識も自発的に上がり、さらなる技術向上に意欲的に取り組むようになりました。
ど演歌チラシでは店主やスタッフの接客写真と、店の外と中の写真も盛り込み、自店が大切にしている思いを語りました。商品写真は参考写真を1点だけ、金額は最低価格を参考として載せたのみ。一般的な眼鏡店のチラシと比べたら、スタッフと店舗と技術情報が圧倒的に多く、商品情報は心配になるほどわずかです。
それでも新規客が「ひいき客」となって来店します。眼鏡を語っているにもかからわず、在庫もないカタログから取り寄せの婚約リングまでも注文が入るのです。
まだ商品を見てもいない状態で、「良い商品が買えた」とお礼を言われたり、電池交換客でさえ来店時すでに心を開いていてにこにこ笑顔で順番を待っています。ど演歌チラシによって客層が変わったのです。
これまで見てきたことから、人は自分が理解できることを応援します。あなたの商品・サービスは専門家には理解できますが、お客には難しく感じられます。だから、商品のことだけを語り過ぎてはいけないのです。お客は商品(サービス)だけが欲しいわけではありません。この店に行くと自分がどう扱われるのかを知りたいし、また不安なのです。
人は誰しも生き方を持っています。誰もが持っているからこそ、誰もが理解できることです。あまたの生き方である「商品で大切にしていること」「商品を通じて伝えたいこと」をチラシで語りましょう。そうするとお客との絆が演歌のように長持ちして応援される関係になります。
あなたの生き方を伝えましょう。そうすれば、お客は心を動かされる。なぜならば、それこそお客に理解できることだからなのです。


この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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