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岐阜新聞朝刊のコラム「素描」第3回 2021年3月20日『厳しくて優しい先生』

    
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岐阜新聞朝刊のコラム「素描」第3回 2021年3月20日『厳しくて優しい...

 店舗は商品が売れないと存続の危機に陥ってしまいます。だからお客様に商品を勧めますが、宝石やアクセサリーなどの高額品だと購入を断られる確率が高く、心折れる体験が多くなります。
 ある時、腕時計の電池交換で来店したお客様に対し「宝石を見てください。見るだけです」と声を掛けると、即座に拒絶されました。「嫌われちゃったな」と思っていましたが、お客様はその後も時計やメガネの修理など細々した用事で来店してくれました。どうやら私の声掛けが悪かっただけのようでした。

 そこで違う声掛けを始めました。「クレオパトラが愛した宝石を見ませんか」「テレビで女性キャスターが着けていたネックレスです」といった具合です。チラッと見てもらえるようにはなりましたが、今度は「このぐらいの価格の商品を買うお金が無いわけじゃないのよ」と言われ、謎解きのようでした。

 来店の理由は考えても分からないので聞いてみると、「あなたがいるからよ」と思いもしない返事をもらいました。続けて「あなたはいつも違うからよ。介護で家にずっといると毎日が同じで息が詰まるの」と。店は買い物をする場所だけではないと知りました。

 店は自分の気持ちを分かってもらう場所でもあったのです。それなのに売り上げのことばかり考えて声掛けをしていました。「また気分転換に来てください」と伝えると「あなたがはめているのと同じ指輪を買うわ」とニッコリされました。

 お客様は厳しく優しい先生です。接客が下手だと何も売れず、うまくいくと購入という「花丸」をつけてもらえます。

この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。

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