【実例】お客様の信頼を育て維持するための「3つのコツ」

お客様に再来店してもらえるように、お客様との関係を大切に育て維持していくことはリピーターづくりの基本です。しかし、囲い込むという意識ではいけません。ここで紹介する3つのコツを実践してみてください。お客様と信頼をきづき維持していけるようになります。
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お客様は囲い込まれるとそこから逃げ出そうとします。かといって何も手を打たないと浮気をします。
インターネットの普及などによって情報が簡単に手に入るようになり、お客様は慎重になりました。欲しいと思った商品の事前調査は怠らないし、そのための情報が得られない店には魅力を感じません。
店によって都合のいいことばかりをお客様に押し付けることが囲い込みです。お客様は囲い込みには飽き飽きしています。売り込みだけのダイレクトメールに反応がないのは当然でしょう。かといって何も接触しなかったら間違いなくライバル店にさらわれてしまいます。囲い込むという発想は捨てて、お客様との新しい人間関係のつくり方である「ゆるいつながり」を目指してほしいと思います。
SNSは「ゆるいつながり」の代表
TwitterやInstagram等に代表される「ゆるいつながり」は、お客様の自由度が高いことが特徴です。情報があふれていて、それを選ぶも選ばないのも自由というつながり方です。「ゆるいつながり」はお客様にさまざまな情報を定期的に送り続けることでつくられます。まずは定期的な接触を可能にする媒体を持ちましょう。LINE公式アカウントを開設する、ニュースレターを発信する、SNSを始めなどの方法があります。あなたの商売が、来店と消費が同時に発生する飲食店や食品スーパーなどであれば、コストが安いSNSでも十分です。そうではなくて、高額品やリピートサイクルの長い住宅などを扱う店ならば、紙媒体のニュースレターで情報発信した方がリピート客を育てやすくなります。思い出しただけで来店売上げにつながるのであればLINE公式アカウントでタイムセール情報を流すだけでよいのですが、高額品などお試しが難しい商材は多くの情報を提供する必要があります。この場合には、紙媒体の方が適しています。自店をしってもらう入口はSNSでも、情報提供できるように住所氏名等をお聞きしてリスト化する工夫をしましょう。
押売ではなく、お客様が喜んで自発的に選ぶための情報提供が大切な仕事です
リピーターを育てるには、お客様自身に「自分が選んだ感」を持ってもらうことが重要になります。押し売りがうまくなってはいけません。押し売りされたと感じたお客様は、一度は買ってくれるかもしれませんがリピーターにはなりません。
押し売りすることなく商品を販売し再来店につなげるためには、買うか買わないかの判断をすべてお客様に任せてしまうことが大切です。この際、店は情報を提供する役割に徹してください。
定期的接触媒体であれば、手紙部分とセールス部分を明確に分けると、手紙部分を読んで共感した人がセールス部分を読み進みます。自ら選んでセールス部分を読むことで、欲しい気持ちが強くなって再来店につながりやすくなります。また、お客様との接触頻度を高めることで流出率は減り、リピーターが育ちやすくなります。
困ったら既存顧客名簿と繋がりなおす
ある地域に10軒の和菓子屋がひしめくところがあります。保存料を使わずに、昔ながらの手間暇かかる和菓子作りにこだわっているE店もその1軒です。おいしいものさえ作っていればお客様は分かってくれると店主は思っていましたが、リピート率が下がり続けていました。そこで既存の顧客名簿を活用し顧客に年4回ニュースレターを郵送するようになりました。
ニュースレターに書いたことは、店名の由来、創業者の思い、あんこ職人の思い、先代が残した土地に植えた栗の木の話、社長の思い、新商品の開発秘話です。知人に手紙を書くようにし、商品の売り込みは一切しませんでした。
ただし、手紙で語ったことに関連するチラシを同封して送りました。毎年20%ずつリピート率が増え続け、4年で2倍になりました。新規顧客数は口コミや飛び込みのお客さまだけなので毎年3%の伸びにとどまっていますが、売上げは3倍近くに伸びています。

当たり前のことを地味に丁寧に伝える
地域で親切丁寧と評判の家電店があります。高齢のお客様が多く、電球一個でもお届けして取り付けもしています。修理の依頼にも迅速に対応しています。ある日いつものように電球をお届けし、取り付けをしていたところ、作業後にお茶をどうぞと通された居間に新品の高額テレビがありました。他店で購入されたものでした。店主さんはショックを受け、お客様に「うちで買ってほしかった」と思わず口に出してしまったそうです。すると、お客様は大まじめにこう答えました。「えっ、あなたのお店でも大型テレビ売ってたの?」と。
店としては、家電店なのだから大型テレビを販売しているのは当然のことだと思っていました。しかし、お客様はそうは思わなかったのです。教えてもらっていないのだから「売っていない」と思ったのです。
実はこうした悲劇は多くあります。リピート購買をお客様に薦めるタイミングを間違えるとリピーターにつながらない悲劇です。多くの店では、初回購入してもらった後からリピーター対策を始めます。しかし、これでは遅いのです。
購入してもらった瞬間がチャンス。「未来予告」でリピート購入への道筋をつける
リピーター対策は一つ買い物をしていただいた瞬間に、次に何を買ったらいいかを教えることからスタートします。
こんな事例もあります。足に良い健康靴を扱う靴の専門店では、一度ご購入いただくととても長持ちする靴のため、次回の購入が平均10年後というリピート率の悪さが悩みでした。お客様はほかの安売りの店の靴も買って併用しているのかと思いましたが違うのです。本当に一足の靴を10年履き続けるお客様が多くいらっしゃいます。
お買い上げ時に、店主はこのようにお客様に伝えていました。「これ一足で10年は持ちますからね」と。お客様は基本的に素直な人が多いものです。店主が10年持つと言ったがために、律儀に10年履き続けるという現実がありました。リピート率を上げるために購入時の接客トークを次のように変えました。「この靴は日常歩くとき専用ですよ。夏が来る前にあなたの足に合ったサンダルを一つ買われるといいですね。秋になったら室内用の足を守るスリッパ。冬にはブーツ。春が来る前にはフォーマルの黒い靴をあつらえましょう。また時期になりましたらご連絡差し上げますね」
そして約束どおりに時期が来る直前に「お約束したのでご連絡差し上げました」とお客様に接触しました。すると次回の来店が3カ月後に変化する事例が続きました。

お客様の人生においての買い物計画をたててもらう
ある宝石店ではダイヤモンドネックレスを初めて買われる方に「これ一個あれば一生使えますよ」と言って売っていました。この店もその後、何を薦めても「あのダイヤがあるから要らないわ。だってあれ一つあればいいのよね」と再来店につながらなかったのです。そこで初めて買われるときの接客トークを変えました。「初めてのダイヤモンドネックレスとしてはこの商品はぴったりのお品だと思います。良い商品を選ばれましたね。次はこれと重ねて着けられるワンランク上の物を手に入れられるといいですね」
この結果、店頭催事への参加率が増え、2本目のダイヤモンドネックレスもリピートされるようになりました。
一つの商品を購入されるときに、次に買うべきものをお薦めしておく。お客様の人生において買物計画を立てておいてもらえると、確実にリピート率を増やすことができます。

・購入時に「未来予告」をしてリピート購入への道筋をつくりましょう
・「ゆるいつながり」のもてるニュースレター、LINE公式アカウント、SNSなどを行いましょう
・「自分で選んだ感」を持たせるように、接触媒体では手紙部分とセールス部分を明確にわけましょう
この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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