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4役体験する“4感”ロープレ 発表前提の演習で“駄目出しなし”に改善点を発見

    
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4役体験する“4感”ロープレ 発表前提の演習で“駄目出しなし”に改善点を...

4役とは、お客役、販売員役、他人役、そしてビデオの視聴者役(全員)。この全てを経験します。発表前提の演習で、「〇〇役をやってみて感じたこと」を「私は〇〇と感じました」と伝え合います。

 ロールプレイングに付きものと思われている“駄目出し”は不必要です。これから紹介する人の思考と行動の癖に添った新ロールプレイングで、接客の上達が早くなります。
 ロールプレイングとは、実際の接客販売を想定して役割(ロール)を演じて(プレー)練習することをいいます。つまり、うそです。
 だから違和感があります。役者でもないので恥ずかしいし、実際の店頭で同じことが起こるかどうか分かりもしないのに意味がないと思われる方もいるでしょう。接客では、常連客でさえ毎回の態度や希望が変わりますから、「これで大丈夫」という定型は存在しません。
 ですが、だからこそ接客の多くのパターンを知ることができるロールプレイングが大切です。
 思たとおりに進まないのが接客。失敗パータンも多く経験したスタッフほど、接客上手です。だから、うそで早く失敗パターンを重ねると本番の成功率が上がります。

2017.9聞く技術 伝える技術「発表前提の演習で駄目出しなしに改善点を発見」-01

お客、販売員、他人に演習時は視聴者を加える

 ロールプレイングには3+1、合計4つの役割があります。お客、販売員、他人の3つに、視聴者を加えた4つです。4つの役割それぞれを演じて、どう感じるかを経験し、お互いに感想を伝え合うのが新しいロールプレイングです。その様子を撮影しながら進めるので、ビデオカメラを用意しておきましょう。
1 準備
 3人組になる。A:お客役 B:販売員役 C:他人役
2 演じるシナリオを作る
 例えば、「仕事帰りだと思われるお客に、声掛けして来店目的を尋ねる」や、「サンプルを使って、お客に新商品の説明をする」など、具体的なシチュエーションを設定して行うのが効果的です。
3 ビデオ撮影をしながら演じる
 撮影は体全体がはいるようにします。また、声が明瞭に記録されるように、カメラ機材によっては別にマイクを用意します。
4 感想発表
 それぞれの役割を演じてみて「自分自身が何を感じたか」と「私は〇〇を△△に変えてみようと思います」という2つを発表し合います。
5 録画を全員で見直す
 視聴者として、自分のロープレの様子を見た感想を発表し合います。

失敗を恐れるスタッフ 原因は駄目出し

 ロープレの本質は、接客パターンを多く知ることです。駄目な部分を見つけて突くことではありません。
 人前で自分の精いっぱいの演技を叱責されたとしましょう。すると、同じことを繰り返さないために、挑戦そのものをやめたくなるのが人情です。駄目出しは、販売員の恐れを引き出してしまいます。
 今までのやり方が、その人の今の状態をつくっているのです。もっと上達したかったら“やり方”を変えること。そのために感想発表は、「〇〇役をやってみて感じたこと」を「私は〇〇と感じました」と伝え合います。
 相手への駄目出しではなく、自分が何かの役をやってみて感じたことを言葉にしましょう。

2017.9聞く技術 伝える技術「発表前提の演習で駄目出しなしに改善点を発見」-02

役割で変わる気持ち 自分の行動に変化が

 ある衣料品店では、新人がお客役、ベテランが販売員役、店長が他人役をしました。
 お客役の感想「販売員がぐいぐい迫ってくるので、私は逃げたくなりました」
 販売員役の感想「とにかく商品の良いところを早くたくさん伝えようとしたけど、お客が乗ってこないので、もっと良いことを言おうとした。私は焦りを感じました」
 他人役の感想「販売員の説明でまねできそうなのがあったので、早速今日から使ってみます」
 と発表し合ったのです。
 このように、駄目出しはありません。あくまで自分がどう感じで、自分がどうしていきたいかを言葉にします。これによってその日からの行動が変化し始めます。お客の気持ちを感じたことで、「お客が今どんな思いでいるか」を想像して、配慮できるようになります。販売員の気持ちを感じたことで、自分を客観的に観察でき、いつもの癖に気付き変えていくきっかけになります。
  自分を変化させるには他者の指摘より、自らが気付く方が何倍も有効です。他人役は損得勘定が存在しないので、自分を変化させる部分を見つける可能性が上がります。
 この衣料品店のロープレは、強制ではなく希望者だけで始めた勉強会でした。ですが、「駄目出しされるのでも褒められるのでもなく、明日から何をすればいいのかが見つかるから、すぐに接客に役立つ」と参加者の数が増えています。

お客役の感想 自分よりお客の気持ちになる


 今まではロープレを、うまく販売するための練習だとばかり思っていたので、お客さまの気持ちになってみるとは考えもしませんでした。
 実際に練習してみて、自分はお客さまの気持ちを置いてきぼりにしていたと気付きました。これからは、自分が伝えるよりも先に「今このお客さまは何を感じているのかな」と思いやることをしてみます。
(呉服店営業/男性/40代)


販売員役の感想 自分の頼りなさに気付く


 自分がもっと勉強しなければいけない部分に気が付きました。ちゃんと説明しているつもりでしたが、録画を見たら「えっとー」が多過ぎて分かりにくい説明でした。
 お客さまを見ながら説明しているつもりでしたが、途中何度も宙を見つめ、考えながらしゃべる自分の姿は頼りない感じでした。商品のポイントをしっかり押さえて伝え、顔を見ながら一つずつ伝えようと思います。
(化粧品販売/女性/30代)



他人役の感想 まねするヒントを得る


「ロープレは駄目出しをするもの」とばかり思っていたので、驚きました。駄目出しされるのが嫌だから、今まではロープレには参加したくありませんでした。
 でも、自分と違うパターンを見ると、これをまねしたらいいのかなと、ちょっとだけ思えました。今度の休日には、接客してもらう体験をしに買物に出掛けてみようと思います。
(衣料品販売/女性/20代)

2017.9聞く技術 伝える技術「発表前提の演習で駄目出しなしに改善点を発見」-05

録画を見て気付き 信頼される接客態度に

 録画するのは、自分の見たくない様子を見ることによって、得られる気付きが多いからです。自分の接客態度を、最も客観的に教えてくれる方法です。他人に指摘されるよりも、見るだけで理解できることが多くあります。
 録画確認では①表情、②姿勢、③言葉が一致しているかを見て、何を感じるかを発表し合います。人は言葉にしなくてはいけないと思うと、集中して見聞きするので、観察力と伝え方がうまくなっていきます。
 表情は、笑顔のつもりだったが、実際はほぼ変化がなかった。あるいは、お客の話を一生懸命聞いているつもりだったが、怒っているように見えた。いずれも、自分が思った表情になっていないことに気付くでしょう。「接客では、感情表現をオーバーにしましょう」と言葉だけでは伝わらなくても、録画を見ることによって自分自身で気付いてもらえます。
 姿勢も、本人はしっかりお辞儀しているつもりでも、お客とタイミングがずれている、あるいは販売員とお客の距離感で「打ち解けている」か「緊張しているか」が見えてきます。
 言葉は、速度や声の大きさ、トーン、しゃべり方の癖も明確に分かるからどこを直せばよいのかすぐ理解できます。
 録画を見ても駄目出しは必要ありません。自分自身で課題に気付いて確実に変化します。「私は〇〇と感じたので、△△を××に変えていきます」ということを発表の基本ルールとする4感ロープレに取り組んでみましょう。

2017.9聞く技術 伝える技術「発表前提の演習で駄目出しなしに改善点を発見」-06

商品勉強会と一緒に行うと効果的

 ある化粧品店では、商品勉強会とロールプレイングを、以前は別々に行っていました。時間がかかる割に、商品知識を実際の接客に取り入れることができないのが悩みでした。そこで、商品勉強会で習ったことを、即行その場でロープレを使って伝えるように変えました。すると、翌日からお客への説明にどんどん変化が表れました。
「覚えたつもり」と、「実際に言葉にできる」は違います。一人で座って学ぶより、スタッフ同士で動きながらのロープレは、自分が覚えきれない部分をお互いカバーするので短い時間で多くのことが身に付きます。
 ロールプレイングは、駄目出しをやめ、役割を演じてみた感想から、自分の行動変化の気付きを得るために使いましょう。

この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。

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