”一年生販売員”でも結果を出せる「商品知識ゼロでも売れる6つのコツ」

春は売り場に新人が入りますね。実は、商品知識がまったくない新人でも、接客して売ることができる6つのコツがあります。まずは、お客さまの話をしっかり聞くことです。
販売の仕事は楽しいことばかりです。お客さまが喜んでお金を払ってくださると、成績が上がり、お客さまからも職場からもメーカーからも感謝され、関わる全ての人が笑顔になります。そのために、ベテラン販売員は工夫と努力を重ねています。
ここでは新人販売員でも「売れた」と結果を出せる「6つの即効使える工夫」をお伝えしましょう。
Contents
◆販売は恋と同じです。
1、相手に興味を持ちましょう
2、質問声掛けをしましょう
販売というと「売らねば」と力が入るかもしれません。ですが、接客販売のスタイルなら、恋するように相手に興味を持てれば自然と売れます。お客さまに、商品をセルフでレジまでお持ちいただく販売対応であれば、相手に興味を持つ必要はありません。でも、ヒアリングとアドバイスで販売額が大きく変わる接客販売では、相手の役に立つことを考えなくては売上げにつながりません。
恋すると、相手のことに興味を持ちますね。この人は「何が好きだろう」「何が嫌いだろう」「何が目的でここに来たのだろう」「どうしたら喜んでもらえるだろう」と相手のことが気になります。
接客販売も同じです。「何が目的で来店してくださったのか」「どうして今日なのか」「お好きなものは何だろう」「仕事は?」「家族は?」「そもそも当店を選んでくださったのはなぜ」とお客さまに興味を持ち観察しましょう。そうすると、声を掛けて聞いてみたいことがいろいろと浮かんできます。
ビジネスバックをお持ちでスーツ姿なら「お仕事の帰りに寄ってくださったのですか」、手作り風の手芸感たっぷりのバッグをお持ちなら「この刺繍がすてきですね。ひょっとして手作りですか」、ぬれた傘をお持ちなら「お足元が悪い中、お越しいただき嬉しいです。傘をお預かりしましょうか」など、質問声掛けができます。
初恋が実らない大きな理由は、お互いが「相手が告白してくれたらいいのに」と思っているからです。
接客販売ではお互いにモジモジしているより、販売員側から声を掛けると、お客さまとの関係性を一歩進められます。
◆商品知識が乏しくても話を聞くことができれば大丈夫
3、9対1の法則
まだ、専門家としての知識が乏しい新人は、アドバイスも心もとないかもしれません。でも大丈夫です。
話せなくても聞くことができれば、”ビギナーズラック”を起こせます。
接客販売においては「お客さまの話を聞く+商品の話をする」割合を”9対1”とする法則があるのです。お客さまの話を9聞いて、商品のお薦めを1すると、9+1=10となり売れます。
この割合が崩れると、売れる確率も下がります。
1年生販売員は、接客時に緊張しやすいものです。実は、お客様側も緊張しています。たとえお客さまが進んで入店したとしても、緊張はするものです。
よく「沈黙が怖い」といわれますが、緊張感はお客さまの口を重くして沈黙をつくりだします。
なぜならば、人は危険なことが起これば逃げる本能があるからです。逃げ遅れまいと、緊張します。ところが、人は緊張したままでは生きづらいので、緊張を早くほぐす仕組みも備えています。
それが「おしゃべり」です。だからお客さまに「おしゃべり」してもらうために、質問声掛けをしていくのです。しゃべるとリラックスして、販売員の言葉に耳を傾ける好奇心が生まれます。
声掛けしてお客さまの反応が悪くても、気にせず次々と言葉掛けていきましょう。
緊張には、個人差があります。一回で打ち解ける人から、店を出るまで硬いままの人もいます。結果よりも、質問声掛けをする意識を持ち続けることです。すると、売り上げへの突破口が見つかります。
◆話を聞くと都合の良いことばかり起こります
お客さまと当たり障りのない雑談をしていると、お客さまの方からこちらに都合の良い申し出をしてくれるケースが増えます。
実は、これには明確な2つの理由があるのです。
A:ヒトの脳は「自分の話を聞いてくれた人を、良い人だと思う」癖がある。
B:ヒトの脳は「おしゃべりによって緊張を解き、好奇心を抱かせる」仕組みを持っている。
私たちがお客さまに興味を持って質問声掛けするうちに、お客さまの方では「この人は良い人だ」と感じ始め、「ちょっと聞いてみようかな」と好奇心を抱き始め、今日の目的などを話し始めます。
例えば「シミが気になるけど何かいいクリームはないの?」「雑誌で見たのが気になってるの」などと、緊張した状態では教えてもらいにくい来店理由や関心事まで話してもらえます。時には「あなたのお薦めは何なの?」と、積極的に販売員の話を聞き始めます。質問声掛けを繰り返すと、このビギナーズラックが起こるのです。
4:話を聞いてからアドバイスと知識披露をする
ビギナーズラックは、一人のお客さまに1回しか効果がありません。
販売員の話を聞いてくれたお客さまをリピーターにするためには、専門家としての知恵とアドバイスが必要です。
ところが、お客さまの役に立とうと勉強し始めると、一つの落とし穴が待っています。それは、人は知識を覚えると披露したくなるということです。すると、お客さまの話を聞くことをすっかり忘れ、覚えた知識を話すことに夢中になります。
こうしてビギナーズラックは終わります。
合コンでも自分の学歴や持ち物、得意なことばかりを話す人は人気がありません。反対に人気があるのは、「あなたの好きなものを教えて」「今日の服よく似合っているわ。好きな色?」などと相手に興味をもち質問する人です。
同じように、自分の知識披露ばかりする販売員は嫌われます。逆に、お客さまに興味を持ち、質問する販売員は好かれるから、売れます。
9対1の割合で聞くことが減って、知識披露ばかりが増えてくると決定率が下がります。
ところが、ビギナーズラック+知識という組み合わせで売り上げを作るのがベテラン販売員です。知識が増えたら、聞くことを90にして話を10にすると9対1の法則は崩れず販売決定率は再び上がります。
お客さまの話をたくさん聞いて、最後に「だったら、こちらがお薦めですよ。それはね…」とアドバイス、知識披露をするという順序で接客すると、決定につながりやすくなります。
5、接客ノートを作る
6、定期的な手紙とDMを送る
よく売っている販売員の多くは、接客ノートをつけています。
そこにはお客さま情報がぎっしりと詰まっています。名前、生年月日、住所に始まって家族構成、血液型、休日の過ごし方、旅行の話まで、会話で得られた情報は何でも記入します。顔を覚えるために、イラストを描いたり、記念撮影をしてもらったりと、お客さまを覚える努力をしています。
ノートは何度も見返せるので記憶の強化もできます。
一方で、覚えてもらう努力もしましょう。
お役さまにお礼状を出し、定期的に手紙を添えてDMを出します。接客販売は恋と同じです。店に都合の良いときだけの接客は嫌われます。普段は一切連絡がなく、都合の良いときだけ甘い声で誘われても興ざめするのと同じです。
いつもお客さまのことを思い、お客さまにも思い出してもらう、両方の工夫と努力をしましょう。
◆下手でも全部やれば自然と売上げは上向く
お客さまとは一生かけてお付き合いをするものです。そのために6つの行動をしましょう。
1、お客さまに興味をもちましょう
2、質問声掛けをしましょう
3、ビギナーズラック9対1の法則
4、お客さまの話を聞いてからアドバイスと知識披露をする
5、接客ノートを作る
6、定期的にお手紙とDMを送る
以上の6つをすると、自然と売れるようになります。
たくさんやらなきゃいけないので大変と思われるかもしれません。しかし、1つだけで売上げを作る方が大変です。それこそ達人にしかできません。6つを完璧なレベルではなく、下手でも6つを全部やると売上げになるのです。ぜひ取り組んでみてください。



この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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