Q:マーケティングが大事だと言われますがどうもよく意味が分かりません

カタカナ言葉を理解できているかどうかは、自分が普段使っている日本語で説明できるかどうかで分かります。商売は単語の試験とは違いますから、人によって解釈が違っていても構いません。
そもそも、マーケティングなんて言葉を知らなくても、十分儲かって幸せな商売人もたくさんいます。カタカナ言葉の定義に詳しくても、売上げに困っている店もあります。
マーケティングなどの用語を作り出したのは誰でしょうか。
商売を外側から観察する、商売の研究者たちです。彼らは蚊帳の外から眺めて、あれやこれやと原因と結果の推測をするときに記号を付けた方が便利なのです。
あなたが商売の研究者なら言葉の定義が大切ですが、商売の現場に立っている商売人なら、言葉よりも目の前のお客を観察した方が楽しいはずです。なぜならば、言葉はどれだけ愛しても何も反応を返してくれませんが、お客は店が働き掛けると必ず応えてくれるからです。
最も愛すべき存在はお客です。「いらっしゃいませ。こんにちは」と話し掛ければ、あいさつを返してくれます。お客は期待したとおりでなければガッカリし、困り事に対応すれば喜んでくれ、知らない世界を見せられれば感動までしてくれます。
儲けている店はいつもお客に気持ちを向け、お客に真剣な恋をしています。お客から自分がどう見られているかを気にします。自分を好きになってもらおうと見栄えに気を配り、お客の興味があるのは何かといろいろ「聞き出し」をして探ります。このお客は何をしてあげたら喜ぶだろうかと考え、準備をして実行に移します。一度笑って応えてくれたらうれしくなって、もっと喜んでもらうには何をしたらいいかと考え続けます。
恋と商売の違いは、こうした行為をある一人に対して行うのか、全てのお客に対して行うのかの違いでしょう。
店側がお客に恋して観察したら、この人は何に困っていて、何が好きで、どうやったら喜ぶかを思い付くことができます。こう考えるのが商売ですし、これをマーケティングと言います。
マーケティングとは「今までの商売では、こんな原因と結果があったよ」という研究結果の報告書です。
例えて言えば、解剖結果が載っている魚の図鑑です。そこにはいろいろな魚が紹介されています。でも、食べられません。それは過去のものだから。
試験の過去問題集の解説書がマーケティングです。
商売は、毎日が本試験です。
過去の問題と似た事例が出題されるときもありますが、まったく同じ問題はありません。そして、恋と同じで、他人の事例と同じだとしても相手が喜ぶかどうかは保証されていません。
目前のたった一人のお客の役に立つにはどうするかを考えたいですね。
A:知らなくても商売では困りません
この記事は
株式会社ごえん 代表取締役社長
地域商店コンサルタント
山田文美(やまだあやみ)
が書きました。
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