Q:商売をいくら学んでも成果がでません。才能がないのでしょうか?

「手を替え品を替え工夫する」のが商売です。「手」と「品」という道具を手に入れるのが学び、その道具を使って工夫するのが「商売の才能」です。

学びの順序は
1.知る
2.工夫してやってみる
の2つです。

 知るだけでは不十分です。「商売の学び」の答えはたった一つ、利益を出して会社、店を存続させることです。そのためには工夫が必要になります。

商売で成果を挙げるためには、売上げにつなげる方法をたくさん見つけ出すことが必要です。

それがうまく出来るかどうかが、学びを成果につなげられるかどうかを左右します。学びは答えを出すための道具といっても良いでしょう。その道具は多い方が有利です。足し算しかできないよりは、掛け算を知っている方が早く答えにたどり着くのと同じです。

どういうことか具体的に考えてみましょう。

 1という数字から10という答えにたどり着くまで、1を10回足し続けるよりも、1に1回だけ10を掛ければ簡単に早く答えに行き着きます。学びとは計算の手段を多く手に入れることで、その数字をどう使うかが工夫です。ところが、商売は単純ではありません。算数と違い厄介な問題が発生します。算数では決められた数字が勝手に変化することはありません。ところが、商売では購入価格も、客数も、その結果できる売上げも全ての数字が常に変化するのです。お客さまが買うかどうかはお客さまの都合で決まり、販売側には決定権がありません。常に未知数だから、いつ変化するか分からない数字で儲けを出さなくてはいけないのです。

商売とはこうした変化する数字、「変数」と「変数」の組み合わせです。暗記勝負の受験勉強に、商売につながる答えはありません。

 学んだ先に答えがあると思っている限りは、どれだけ新しい手法を学んでも成果にはつながりません。商売には絶対的な正しいやり方はないのです。言うなれば、何度も何度も道具の組み合わせを替えて試すゲームのようなものです。手にした道具を使いこなすには、誰だって何回も練習しますし、自分なりの工夫を重ねます。
 この工夫こそが「商売の才能」なのです。あなたは、商売の才能がないのではなく、まだ使ってもいないのだと思います。たくさん学び、手にした道具が手になじむまで工夫を重ねましょう。しっくりきた頃には成果につながっている事でしょう。

A:「商売の才能」を、まだ使ってもいないのです。